#焼肉店倒産状況に物申すby焼肉ヤクザ
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210115_03.html
創業75年の焼肉ホルモン屋4代目店主として、私見を書きます。
小、零細の焼肉店は個人、家族、親族営業で、変動費(人件費)が安いです。
寿司屋と同様、仕入れは高く、一般的に原価が安いとされるがホルモンの原価は高く、仕込みに手間がかかります。
なので、焼肉店かホルモン屋にスタイルが分かれます。
焼肉店はドリンクの値段が高く、内装が良く、『食事』をメインにしてます。
一方でホルモン専門店はドリンクの値段が安く、内装も安く、『ツマミに飲む』ことがメインです。
両者の経営は似て非なるもの。
多くの店は歴史があり、持ちビルだったり、二等地に出店してます。
それにより、変動費(人件費)と固定費(家賃)が安いので、生き残れる確率は高いのが事実です。
店舗オペレーションに、誤解もあります。
三大経費の人件費と固定費が安く、お客様が調理をしてくれるイメージが先行し、参入が後を経ちません。
これは非常に危険な考え方です。
前述の通り、主力の肉の原価は高く、価格以外に差別化が付けにくいので、基本的に薄利多売です。
肉のランクはBMS(ビーフマーブリングスタンダード)で『味』だけではなく、『見た目』でその価値は決まってます。
最近の和牛の質は高いが、肉のランクを落とせば一目でわかります。
焼肉店の多くは『コスパ』か、高級焼肉店の『イメージ』で付加価値を付け、できないお店は接客勝負です。
ホルモン屋も似ていて、コスパか鮮度が良いという『イメージ』で付加価値を付け、できないお店は安価な『輸入ホルモン』または『豚ホルモン』に切り替えます。
そして、焼肉業界の市場規模は小さく、国民食でもありません。
一部の大手チェーンが出来ると、小さいお店は、コスパでは勝てないので、『接客勝負』一辺倒になります。
換気が良い、家庭では油や臭いの問題があるなど、存在が成り立つ理由はいくつかありますが、実は競争が激しく、市場も小さく、生き残るには血の滲むような経験をするでしょう。
そして、調理をお客様にお願いしているので、星付きレストランになることも叶いません。
焼肉店とホルモン屋は、いま現在も大衆料理店であり、常に食中毒などの感染症と戦ってきた歴史があることを肝に銘じた上で、参入してきてください😊