クラシック音楽家の素顔⁈肖像画に見る vol.2
②ショパンの肖像画
この絵に描かれている音楽家はフレデリック・ショパン(1810~1849)です。
ショパンはポーランド出身で、フランスを中心に活躍していた、ロマン派を代表する作曲家です。
「別れの曲」「夜想曲第2番 変ホ長調 op.9-2」「子犬のワルツ」「英雄ボロネーゼ」などの作品を作り出しています。
この絵は、ウジェーヌ・ドラクロワ(1798~1863)というフランスの画家が描きました。ドラクロワはフランス・ロマン主義を代表する画家です。
ドラクロワの代表作には、フランス7月革命をテーマに描かれた「民衆を導く自由の女神」があります。この絵は見たことがある人が多いのではないでしょうか。
この肖像画は1838年に作成されて、現在はルーブル美術館に所蔵されています。
この肖像画のショパンは、気難しく神経質そうな表情をしています。実際に彼は、神経質で怒りやすく、内向的な性格だったそうです。静かな情熱を感じる目からは、まるでショパンが孤高の天才であることを感じさせるように私は思います。
他のクラシック音楽家の肖像画と比べると、独特の雰囲気が感じ取れます。作者のドラクロワやショパンの個性がよく表れている作品なのではないでしょうか…
この肖像画は、実は1枚の絵が2つに切り離されたあとの片方の絵です。
元々はドラクロワ作「ショパンとサンド」という1枚の絵でした。
ショパンの隣にいる人物が誰か気になりますね。この人物はジョルジュ・サンド(1804~1876)という女性です。彼女は19世紀のフランス文学を代表する小説家であり、初期のフェミニストとして知られています。
そんな彼女がなぜショパンと一緒に描かれているんでしょうか?
それは彼らが恋人だったからです。
この1枚の絵は、ショパンとサンドが一緒にいる様子を描いたものだったのです。
ショパンはルーブル美術館に、サンドはオードロップゴー美術館に所蔵されており、今、2人は別々の場所で時を過ごしています。
次はストラヴィンスキーについてご紹介。
vol.3に続きます。
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