《鬼の旅5》 石川県 黒龍と鬼

福井を後にし、向かったのが石川県。



元々、金澤神社へ行く予定だったが
旅出発の二日前に海巫女より
「黒船神社」にも行ってほしいと。



ふたつのミッション


まずは、金澤神社からご挨拶へー
ここでもいくつかミッションがあった。



一つは、稲荷社の小さなきつねが
本来の場所へ戻りたがっているので
まずはピックアップすること。


もう一つは、龍の彫刻がなされた
灯籠があるのだが
その龍が何か必死にもがいているので
それを解消すること。



美しい稲荷社へ足を踏み入れた瞬間、
ぴょんっと肩に小さな狐さんが乗ってきた。
お迎えが来たことが嬉しいようだ。



本殿を後にして階段を降りると
龍の灯篭があった。



事前にネットで調べた写真では分からなかったが
近づいて見てみると、口の中に珠をくわえ
右手と左手にも珠を握りしめていた。


まずは、右手と左手の珠を「授ける」というので
受け取った。それは「陰陽の珠」らしい。
何に使うのかは、あとで分かると言われただけだった。


一旦、わたしの身体に入れることにした。
荷物を持っての連日の移動により
腰がだいぶ痛んでいたので、腰に入れてみた。
(後から氣づいたが、そう言えば腰痛が消えていた。)



再び龍に意識を合わせると口の中に違和感。
覗くと、10円玉が入っていたので
口から出し灯篭の足元へ移動させた。


さらに「口の中の珠を一旦取り出して、
お腹の中に入れてほしい」ということ。


口の珠に手をかざすと、雪が降り積もる
極寒の中なのにほんのり温かかった。
それを龍のお腹の中に入れ直した。

すると安心した様子だった。
写真を見ても、はじめの必死感が消え
穏やかな顔になっている。




2つのミッションを終えた後、
約2時間、電車とバスを乗り継ぎ
黒船神社へと向かった。



鬼の赤子と黒龍 解放の儀


来る前に調べた時は
本殿前に大きな木があったのだが
訪れた時には、その姿はなかった…



海巫女より「馬と話して」と言われていた。


事前に写真を見た時から
「何かを拒否している」感じがあったが
意識を向けると、やはり視線の先が気になった。



目線の先に、岩があったー
(あぁ、あそこだな…と直感した)



念のため、狛犬の視線の先を見ても同じ場所
そして、枯れて朽ちてしまった
木の対角線上にあった。




本殿、大己貴命にご挨拶をすると
儀式の手順のイメージを視せてくれた。


そう、この場所こそ
鬼が閉じ込められた場所なのだ。



黒く大きな鬼だった。
しかし、小さい姿もちらつく…
本来の姿は赤子だったのだ。



はじめは小さかった鬼の姿。

しかし、元の場所へ帰れない寂しさ、
悲しさが恨みつらみに変わり、
それが人の念をも引き寄せていった。



そして、吸収し続けた鬼は
どんどん、どんどん肥大化していった。


それはこの地域を覆うほどに…


大己貴命も言っていた

「以前はこの土地は活氣があった。
それを取り戻す必要がある」と
活氣とは即ち、氣が満ちている状態である



儀式を執り行う前に、その岩の前で
龍神祝詞を奏上せよと大己貴命に言われた


ここで龍神祝詞?なぜ??
不思議に思い、何度か確認するが
龍神祝詞の文字が離れない。


指令に従い、祝詞を奏上した。
その瞬間に、悟ったのだったー


この黒鬼を母である
黒龍の元へ返すだということを




鬼を取り出すと、それまで晴れ間が見えていたが
一気に曇り、風が吹き出した。
しかし、エネルギーではものすごく光っていた。




黒龍が迎えに来たのだ



「ありがとう、やっと失った我が子を迎えに
来ることができた。ありがとうー」



なぜ、この鬼の赤子がこの地にいるのか?
黒龍が過って鬼が宿る珠を
落としてしまったそうだ。


慌てて取り戻そうとしたが、
一度その地に珠が宿ると
自分の意思では取り出せないようだ。


黒龍に、もう自分を責めなくていいよ、
とも伝えた。
すると、お礼にと、ある約束をしてくれたが
これは心の内に…




馬の話


再び馬のところに戻り、話を聴いた。

「あの鬼に、足を踏みつけられたんだ…
痛くて、怖くて。

それから怖くて走り回ることが
できなくなっちゃったんだ。
もういないの?本当に大丈夫?」





大丈夫、もう還ったよ。と
踏まれた足をさすりながら伝えた。


しばらくそうしていたが
それでもまだ動こうとしない。



「…。
(肥大化した)鬼がどんどん大きくなっていって
そこ(鬼の領域)には入ってはいけないんだ」



(相当広がっていたし、相当恐かったんだなぁ)



それももう解消されたことを伝えると
「本当に?」
と何度か確認した後、元氣に走り出した。




朽ちてしまった木の話


馬のエネルギーがクリアになったので、
次に狛犬の元へ


やはり、この狛犬も必死に守っていたー
できる限り、木が持つように。
そしてこの土地を守るために



狛犬たちにも、もう大丈夫だと伝え
いよいよ朽ちてしまった木の元へ…


この木が全てを請け負ってくれていた


ケア前


「守ってくれてありがとう。
全てを背負ってくれてありがとう。
間に合わなくてごめんね…」


と伝え、その木がずっと抑えていてくれた
エネルギー、溜め込んでいたものを
根の呼吸を通じて浄化する。
(ここでも気分が悪くなった)


相当なものだったのだろう…


浄化の後、新たな生命が芽生えるよう
氣を送った。すると


「ありがとう。あの子(鬼)をわたしの根で
ずっと守っていました。

わたしはこのような姿になったけれど、
どうかあの子を責めないでください。

寂しかっただけなのです、
帰りたかっただけなのです。」



ケア後


その時、視せてくれたのは
木の根っこのゆりかごの中で安心した顔で
眠る、鬼の赤子だった。


赤子にとっては母のような
存在であったのだろう。
唯一、安心できる場所。


もしかしたら、この木の根が
その赤子の過去を大切に護ってくれていたから
本来の姿をとらえることが
できたのかもしれない…
(と、これを記しながら思う。)


最後に大己貴命にご挨拶をして
黒船神社を後にした。



金澤神社の小さな狐


儀式に夢中になっていたが、
ぴょんと肩に乗って来た
狐の存在を思い出した。



この子は、どこに返すのだろう??



肩に乗っている子に聴くと、
「隣のお寺に行ってみて」と。


黒船神社の隣に蓮寺というお寺があり
石碑には「黒船山」と書かれていた。




そして、その子が言うのだ
「わたしもお母さんのところに帰りたい」
と。


その瞬間、綺麗な赤のお社
細い白っぽい木を見せてくれた。


この近くなの??


「…山」



え?山?
もしかして黒船山ってあるの?!



悴む手で調べるが、該当する山は見当たらない。
感覚的に、近い感じもしない。



果たして、どこの山なのか??



一旦、金沢駅まで戻り喫茶店で暖を取る。
すると「黒船山」で調べているのに
真っ先に表示されたのが「黒斑山」


こくもん??
そう思い込んでいたし、
「ふね」からほど遠いので
読み方すら調べていなかったのだ。


でも、何回も表示されるので読み方を調べると・・・


黒斑山くろふやま



なんと、その時わたしが入ったお店が
加賀麩「ふ」のお店だったのだ…

(写真は撮れなかったが、
座った席の横の壁に超絶大きく平仮名で
と書かれていた笑)





これは、きっと偶然ではない。
今日は、黒で繋がっているー


黒龍に黒い鬼、そして黒斑山…


試しに近くの稲荷神社を検索してみた。
すると、視えたイメージに近い神社の写真が
目に飛び込んできた。


長野県佐久市にある
鼻顔稲荷神社はなづらいなりじんじゃ



検索していて驚いたー
なんと、左の狛狐の足元には可愛い子狐の姿が…


その狛狐を見た瞬間、小さな狐が喜んだ。
あぁ、この子に違いない。


そして、小さな狐は
「子狐」そのものだったのだ。



黒龍と黒い鬼
そして次は、狐の親子

再会を果たすべく、動かされているのだろうー


つづく

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