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otoshimon2000
2020年10月10日 13:43
青年の手から、白いハトが飛び立っていった。 ケガが完治したといっても、飛ぶのは久しぶりのことであり、初めはぎこちなく、慌てたように翼をバタバタさせていたが、本能的に飛ぶことを思い出したのか、やがて風に乗り、泉のある森の方へと飛んで行った。青年は、寂しそうに、誇らしそうに、ハトが飛んでいった空を眺めている。 そういえば人間は、白いハトを平和の象徴だとする考えがあるんだったな。ふと、そ
2020年10月31日 10:09
赤や青、緑や黄色のレーザー光線が、人間の神経を高ぶらせるように暗いホールを慌ただしく照らし出している。いつもはこんな場所には来ないのだが、後輩の野田がしつこく誘ってきたため、これも社会勉強になるかもしれないと思い直し、来てみたが、想像以上に騒々しい場所だった。まだ飲み物を頼んだだけなのに、一刻も早くこんな店から飛び出して、家に帰り愛猫の『みーすけ』を撫でたい願望が沸々とお腹の底から湧いてきていた