怪しい短歌 イ 10首
高く舞う一反木綿は青空に高く高くてそれだけで良い
人魂の震える冬の朝に持つ生ゴミ重く白みゆく空
君たちの死者との夏の1日を僕らは少し眩しく聞いた
足早に過ぎる人波ひっそりと幽霊浮かぶ乾いた空気
色付いた紅葉御寺(みてら)に舞いて落ち飴幽霊の心慰む
譲り受けた自転車で道に迷うとき必ず通る墓場があった
気がつけよおまえの肩に乗る影に優しく暗い春の気配に
誰もいない廊下で追い抜かれたような気配と共に日が陰る午後
天井を見つめ続ける老人を成仏させるための花束
廃校のチャイムは響く影たちに帰る時間を知らせるために
これらはナナロク社主催の新しい歌集のための選考会に応募したものです。
また、Xでポストしたものです。
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