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怪しい短歌 ツ 5首

青色のセロファンを透かし見た部屋に怯えた顔の人影のあり

崩れ落ちた白壁に苔の柔らかく木漏れ日揺れて春風ぞ吹く

春雨が冷たい爪を研ぐようにほそくほそくほ………降り注ぐ朝

記憶にはないほど溜まった吸い殻に私以外の誰かを思う

留守宅に繰り返される呼び鈴が部屋の空気を震わせ続け


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