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1月10日から1月23日まで、二週間に聴いたタイトルを振り返る。

#015 ヴィルトゥオーゾたちがキラっキラっに輝いていた時代の、ヴィルトゥオーゾたちによる2台ピアノ作品集ですよ!つまり、キラっキラっ×2!いや、ヴィルトゥオージティが2台のピアノで繰り出されると、どっしりとした安定感が生まれ、また新たなゴージャスに昇華... これが、もう、魅惑的!

#016 昨年は、サン・サーンスの没後100年のメモリアルだったわけですが、遅まきながら、『動物の謝肉祭』を聴いてみたわけです。が、久々に聴いて、おおっ?!となる。楽しい音楽の真実=内輪ネタのおふざけ、という肩の力の抜けたところで存分に繰り出されるサン・サーンスのセンスと確かな腕!『動物の謝肉祭』、馬鹿にならないのですよ... 

#017 根本+ムジカ・ニジェラ、初めて聴きました!いや、なかなかに凄かった... メンバーの個性がスパークしていて... そうして音楽を息衝かせる、指揮者、根本雄伯、興味深し... いやー、これからが楽しみな個性!

#018 ドビュッシーのソナタを想起させる、ルヴュ・ブランシュの編成... いや、いろいろ可能性を感じずにはいられないのです!で、その編成を以って引き出される、フランスならではの響きに対する鋭敏な感性!そして、ミューズにしてパトロン、ミシア・セールという視点から見つめられるフランス近代音楽の芳しさ!

#019 チェンバロのソナタをハープで... これ、絶妙過ぎる... てか、指で直に爪弾いて生まれる、何とも言えないナチュラルさ!これが魔法となって、18世紀のイタリアの音楽を雅に昇華!最高のケミストリーだわ...

#020 知られざる、と言いますか、誰が知っていた?19世紀、スウェーデンを拠点としたハーピスト、プラテ... いやもう極めつけのマニアックさなのですが、聴いたら、一発、ノック・アウト!北欧のロマンティックさ、瑞々しさに、ハープの儚げにして澄んだトーンがドンピシャで... いや、これは、ハーピストの重要なレパートリーたるべき!

#021 ドイツ・ロマン主義の影響下にある北欧のロマン主義ですが、グリーグの歌曲に触れると、影響"下"というよりは、より純度を増した姿を目の当たりとするようで... いや、北欧の雄大さ、瑞々しさ、素朴さ、全てを、ドーンと見せてくれたダヴィドセンの歌、惹き込まれた!

#022 本当に多彩なモーツァルトの音楽だけれど、歌曲はスルーしがち?というところで、改めて聴いてみた、モーツァルトの歌曲... オペラやミサのように意図を持って歌うのではない、ただシンプルに歌うというね... 飾らなさ、肩の力が抜けたところから紡ぎ出される音楽には、モーツァルトの素の表情が窺えて、実は、興味深いのです。

#023 とにかく、マニアックです。18世紀、フランス、パリ一極集中だったところで、ボルドーのオペラ(ボルドー楽壇のトップ、ベックのオペラ!)を聴くというね... しかし、西インド諸島との貿易でバブリーだった当時のボルドー。そんなマネーを背景に充実しておりましたよ、ボルドーのオペラ!いや、18世紀、ボルドーの音楽に興味を覚えてしまう。

#024 またまたマニアックです。中世、教会音楽の一大中心地で、その伝統、長年に渡り紡いで来た、リエージュ... その最後を飾る、アマルのモテットの花々しさ!いや、中世からアマルが率いた古典主義の時代まで、リエージュの音楽の歩みに興味を覚えてしまう。

#025 そしてまたマニアックです。盛期バロック、プラハで活躍したブリクシの教会音楽... いや、帝都、ウィーンではなく、ハプスブルク帝国の一都市、プラハとなると地味?なんて思ってしまいそうですが、いやいやいや、ブリクシは、ウィーンに引けを取りません! 

#026 さらにまたマニアックです。1677年、モデナ公、エステ家のためのたヴェスペレ... なのだけれど、まあ盛りだくさんな音楽!今、十分に楽しめますよ、これは... 何と言いますか、初期バロックと盛期バロックの中間地点、なればこその、両方の良いとこ取り!ヴィオローネのヴィルトゥオーゾということで、器楽曲を聴く機会が多いイメージのパパ・ヴィターリですが、教会音楽も侮れない...

#027 もひとつおまけでマニアックです。いや、また気になるバロックの作曲家、見つけてしまいましたよ!パリのイタリア人... ということで、イタリアだけど、それだけじゃない、パリが作用しての魅力、素敵過ぎる... いや、もっと聴いてみたくなるグイードでした。

#028 フランス・バロックのヴァイオリンといえば、この人、ルクレール... ということで、久々に聴けば、ルクレールならではの音楽に感じ入ってしまった。リヨン―トリノ、そして、ダンサーという、ルクレールを読み解くキーワード、そのソナタからこぼれ出し、いつものフランス・バロックより広い風景が眼前に広がるよう... 印象深い演奏でした。

寒すぎる日々が続く中、縮こまって音楽を聴く日々です。が、なかなかに発見の多い日々でした。ロマン主義、スウェーデンのハーピスト、プラテに、古典主義、ボルドーのオペラの音楽監督、ベック、リエージュの司教座の楽長、アマル、盛期バロック、パリのイタリア人、グイード、プラハで活躍したブリクシなどなど、みな興味深い存在で、もっともっと聴いてみたくなる!一方、再発見となったのが、『動物の謝肉祭』でのサン・サーンスの切れ味の良さ!ルヴュ・ブランシュの"MISIA"に響くフランスならではの色彩感の冴え!そして、ダヴィドセンが歌うグリーグの歌曲のスケールの大きさ!惹き込まれました。
そんな1月10日から1月23日までの2週間に聴いた14タイトル、最も印象に残ったのが、ヴィターリのエステの聖コンタルドのための夕べの祈り... モデナ公、エステ家のヴェスペレは、盛りだくさんで、夜祭みたい!ワクワクしてしまう。

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