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2月11日、今から100年前... 1923年の音楽パノラマの興味深さ... 音楽から時代を垣間見る...

ドイツの公共放送100年を記念して、バイエルン放送ファミリーが掘り起こす、100年前の音楽!トッホ、ヴァイル、クシェネク、バルトークが、1923年に作曲した4作品、ズバリ、"1923"!
BR-KLASSIK/900206

ウィーン出身のトッホ(1887-1964)が、マンハイム音楽大学で教えていた頃の作品、舞踊組曲(フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスとパーカッションによる)に、ヴァイル(1900-50)が、ブゾーニについて学んでいた最後の年に書いた、歌曲集『乙女の踊り』(ソプラノ、フルート、ヴィオラ、クラリネット、ホルンとファゴットによる)、ベルリンで活動していたクシェネク(1900-91)が、故郷、ウィーンへと戻って書いた、ア・カペラによる3つの混声合唱曲、そして、ブダとペストの合併50周年を祝うコンサートのためにバルトーク(1881-1945)が書いた作品、舞踊組曲... ヴァラエティに富む4作品から1923年を切り取るおもしろさ!

擬古典主義を飄々と繰り出すトッホ、ソフトな表現主義?まだ尖がってないヴァイル、思いの外、ロマンティックなクシェネク、すでに民俗調のギアが入っているバルトークと、種々様々な作品で織り成す、"1923"。一方で、そこから窺える雰囲気は、イケイケだった狂騒の20年代のイメージからすると、ナイーヴな印象を受ける。で、その背景にあったのが、ドイツにおける"1923年の危機"... 第1次大戦の戦後賠償に伴うハイパー・インフレ!この危機を前にし、作曲家たちの心持ちが表れるようで、なかなか興味深い。いや、そのナイーヴさ、味にもなり、また、魅力的...

という、"1923"、前半(トッホ、ヴァイル)は、バイエルン放送響のメンバーによる室内アンサンブルが、小気味よく音楽を展開し、この時代の雰囲気、しっかりと味合わせて... からの、アーマンが率いたバイエルン放送合唱団によるしっとりとしたコーラス(クシェネク)が、ドイツの伝統を呼び覚まし... 最後は、マチェラルが指揮するバイエルン放送響のお祭り(バルトーク)!このオーケストラならではのクリアさを活かしての、明快なノリの良さがツボ... 1923年を盛り上げる!

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