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1月26日、やわらかな厳粛さに包まれる、17世紀、リエージュの晩課... に、癒される。

アンサンブル・ポリアルモニークの歌、ファビアン・ムラール率いる古楽アンサンブル、コンチェルト・インペリアーレの演奏で、17世紀、ベルギー、司教座都市、リエージュにおける晩課を再現、"Ad Vesperas"。
MUSIQUE EN WALLONIE/MEW2201

ヴェネツィア楽派、アンドレア・ガブリエリ(1533-85)のトッカータ(壮麗なオルガンによる演奏!)で始まり、厳かなグレゴリオ聖歌に導かれるように、ランベール・ド・セーヴ(1548-1614)ら、リエージュの作曲家たちによる詩篇、モテットが歌い紡がれてゆく... そこに、イギリス出身で、ローマで研鑽を積んだ後、ブリュッセルの宮廷で活動したピーター・フィリップス(1560-1628)、オランダのオルガニスト、スウェーリンク(1562-1621)のオルガン作品を挿んで、織り成される、17世紀、リエージュの晩課。

中世来、教会音楽で存在感を示してきた司教座都市、リエージュの伝統と、リエージュもその一端を担った、一時代前となるフランドル楽派の遺産、さらにヴェネツィア楽派のコーリ・スペッツァーティ、最新のイタリアのスタイル、コンチェルタート様式までを取り込んで、ルネサンスからバロックへ、フランドルにイタリアに、まるで過渡期の音楽カタログのような様相を呈する、"Ad Vesperas"。一方で、何とも言えない瑞々しさでまとめられるあたり、リエージュ流?そのやわらかな厳粛さ、印象的。

いや、マニアックな、17世紀、リエージュの晩課なのだけれど、アンサンブル・ポリアルモニークの、いつもながらのクリアな歌声、落ち着いたハーモニーが、マニアックさ、忘れさせ、聴く者をやさしく包み... 包まれて、リエージュ流が、スーッと沁み込んでくるよう... そこに、コンチェルト・インペリアーレの、金管主体ならではのスペイシーな響きが、司教座都市の威厳を見せて... 何だろう?17世紀のリエージュの大聖堂にいるような感覚に... で、晩課の祈りに癒される。

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