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3月8日、"SACROPROFANO"、ヴィヴァルディが生きた時代のヴェネツィアの危うい魅惑...

イギリスのカウンターテナー、ティム・ミードが、ジョナサン・コーエン率いるイギリスのピリオド・アンサンブル、アルカンジェロの演奏で歌う、ヴィヴァルディの教会音楽と世俗カンタータ... "SACROPROFANO"。
ALPHA/ALPHA914

ニシ・ドミヌス(RV 608)、サルヴェ・レジーナ(RV 618)の教会音楽に、世俗カンタータ、『やめてください、本当にやめて』(RV 684)と『恋の神よ、わかった、おまえの勝ちだ』(RV 683)の、アルト・ソロによる4曲... そこに、弦楽のための協奏曲、ニ短調(RV 128)と、シンフォニア「聖墓の傍らで」、ロ短調(RV 169)を挿む、"SACROPROFANO"、神聖世俗... なかなかに大胆なタイトルなのだけれど、オペラハウスを沸かす一方で、ピエタ慈善院の教師を務めた"赤毛の司祭"、ヴィヴァルディ(1678-1741)を象徴するタイトルと言えるのかもしれない。で、"SACROPROFANO"、その"神聖"と"世俗"での仕事をまとめ上げ、煮詰めたような、1枚... てか、混ぜるな危険?

"神聖"と"世俗"を揺れ動くように展開される、"SACROPROFANO"。そうして、聖俗の境界は揺らぎ... いや、揺らぐというより、全てがよりヒューマニスティックに表現され、"神聖"が"世俗"の延長線上にあるという大胆さ!そうあることで訴求力は増し、教会音楽もオペラを思わせるエモさを放つ。で、訴求力を持った"神聖"が、またエンターテイメント(教会音楽がメインのピエタのコンサートが大人気!)となってしまったのが、18世紀、ヴェネツィア... 神聖世俗、一緒くたになって漂い出す魅惑!心を掴む音楽というのは、混ざって危ういくらいでこそ生まれてくるのかも ...

という、"SACROPROFANO"を体現するような、ミードの歌声!カウンターテナーならではの独特な艶やかさ、たっぷりと聴かせつつ、ヴィヴァルディの憂いを含む音楽、しっとりと歌い上げ、何かこの世ならざる空気を醸し出す。そんなミードに寄り添う、ジョナサン・コーエン+アルカンジェロが、華麗さで彩りつつ、深みも響かせ、卒なく、凄い。という歌と演奏が、聴き手を、ヴィヴァルディが生きた時代のヴェネツィアへと誘うかのよう... 誘われて、幻惑される。

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