ねこには猫と
好きな小説を好きな人に貸したことがある。
その何ヶ月も後のことだ。
その小説は夫婦の間の話なのだが、
その中で夫が妻に言ったあるセリフが
私はずっと忘れられない。
僕の人生目標は君を甘やかすこと
これは妻があまり家のことができずに
申し訳ないと伝える
そんな場面でのセリフなのだが、
他の情景も相まって私はとても好きだった。
そのセリフをリアルで言われたのだ。
なかなかにさとい。ずるい。
好きな小説のことを覚えていることも
そのセリフを言うことも
何ヶ月も経ってから
後出しじゃんけんのように
そんなことを言ってきたのだ。
そこから何か進展があれば良いのだが、
何ヶ月経っても特に変わらない。
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