真夜中のコンビニとビバルディ

普段子連れのわたし

罪悪感なく
急ぐ理由がない一人の時間ができると
すーっと気分が落ち着く

数時間誰かに預けている時よりも
この10分間が貴重
これといった予定がないからかもしれない

炭酸水以外に
特に買いたいものもない
でも辺りを見渡すと
ウキウキする

帰り際
後ろから
ビバルディの冬第一楽章が聞こえた
音大生の男女二人組が
携帯スピーカーで流している

これ弾けるようになりたい
男の子がそう言っていた

その瞬間

春のソロを
あと味悪く
勝ち取った時のことを思い出した

高校卒業間際のコンサート
2年間コンマスではあったけど
ソロがある曲はそれまではなかった

オーディションをするというので
一生懸命練習した
その結果勝ち取った

なのに
競っていた後輩に
結果を伝える前に
ソロを譲る提案を受けた

意味不明だった
理由も何もなかった

破天荒な指導者に
いつもちょっぴり心をかき乱されていた
上海の高校時代

提案はお断りし
コンサートは無事終わった

弾いたことは全く後悔していない
けれど
気持ちの整理は
どうするべきだったのか

18年後の今
未だによく分からない

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