猫。
「猫が好きだ」
と2回目のデートで聞いた。
近寄り、触らず写真を撮っては
「好きだけどアレルギーでさ」
と彼は笑った。
そんな彼は猫みたいだった。
かなりの気分屋。
お昼寝は大好きだしマイペース。
気まぐれに甘えてきては
ふっと居なくなる。
魚を食べるのも上手だった。
余談だけど。
私にはそんな彼が魅力的に映っていた。
なかなか手に入れられないような錯覚に酔っていたのかもしれない。
そんな私は今、犬みたいな男性とお付き合いをしている。
しっぽが見えるくらいべったりで
彼とは正反対。
でも今でも猫を街で見かけると
気ままな彼を思い出す。
好きだけどアレルギー。
彼にとっての猫みたいに
私と彼にも消せない壁があったみたいだ。
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