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大学3年生を休学。島にまた帰って来たいと思えるような空間づくりを。

北海道出身で、幼少期からお家に興味があり、大学では建築を学ぶ。
自分の夢を叶えるために興味のあることをやりたくて大学3年生を休学し、大人の島留学へ。
「自分のためにも、海士町にとっても、また帰って来たいと思えるようなお家の環境作りがしたい」と語る彼は、今どういう思いで島にいるのでしょうか。

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学に参画している
1月生の「今」にフォーカスした「私たちの足跡」。

彼らはどんなきっかけで島を知り、
今、どんな想いを抱えて島にいるのでしょうか?
1月生一人ひとりが歩んでいる物語、そしてその足跡をお届けします。

R6年度大人の島留学1月生として海士町に来島。
「空き家×農業プロジェクト」に所属している梅原光生さんにお話を伺います。

梅原光生さん
取材当時21歳 北海道出身

自分でお家を建てて暮らしてみたい。思い描いた夢に近づくために。

幼少期からお家が好きなこともあり、大学では建築を学んでいます。
子どもの頃、ビフォーアフターをずっと観ていて。
すでにあるものを大切にしながら試行錯誤して、住みやすいお家づくりをする姿がかっこいいなって惹かれていました。

北海道は、すごい寒い環境なので中学時代に病気になったこともあって。
中学の時はバスケもしていたので、ストレスもあったかもしれないんですけど、そのときにちゃんとお家があたたかい環境だと、健康でいられることを知って。
「どういう空間を作ったら居心地が良いかな?」って暖かくて住みやすい空間づくりを考えることが好きになりました。

星の見える家

自分の好きなことを考えているとワクワクしてくるんです。
ワクワクした自分でこれから先も生きていたいって思って。
なので就活中、自分はどんなことが好きなのか見つめ直していたら、自分のやりたいことや夢に気付いて。
それは、たくさんの星が見えるところに自分でお家を建てて、暮らすこと。

「たくさんの星が見えるところで、自分でお家を建てて暮らす。」
夢のきっかけになった星空

その夢を叶えるには、どんなところに住んで、どんな仕事をするんだろうと考えていたら、興味のあることがどんどん出てきて。

そのなかの一つに農業がありました。
自分は自然が好きで、農業は太陽の下で大自然に囲まれながら作業するイメージだからやってみたいと思ったんです。
建築をしながら農業で自給自足ができたらいいなと考えていました。なので、自分のやりたいことをやる時間を取りたいと思って、休学をしました。

夏から秋にかけては、農業体験にいくつか行っていました。
実際は晴れた日の農作業はとても気持ち良くて最高だけど、悪天候の日の農作業はとても厳しい環境で。
自給自足で自分の生活を守ることより、誰かと繋がって助け合いながら生きていくことのほうが好きだと思うようになって。

そのなかで調べていたときにInstagramで大人の島留学を見つけました。

農業体験でじゃかいもの選別をしました。

農業って、冬は季節的にあまりやってないところが多いんですけど、ここではちょうどやってることを知って、良いなって思ったんです。
1月から3月は来年度の4月から二級建築士の資格を取るために勉強を始めるので期間がちょうどよかったし、ここでなら自分の夢を叶えるために興味のあることができるんじゃないのかと思って、1月期に参画することを決めました。

実際に来てみて感じたこと

ずっと実家暮らしで、母親が結構なんでもやってくれる人だったので、そこから一度離れて、ひとりで暮らしてみたい気持ちがありました。
でも、やっぱり北海道にいる友だちや家族が好きなので、離れるのが寂しくて。仕事は楽しみだったけど、島でちゃんと生活していけるのか不安でした。

実際に島に来てみて、はじめてのシェアハウス暮らしに、戸惑うことがあって。心細くて眠れない日々が続きました。
共有スペースなどは、「もっとこうなればいいな」と感じたときには自分から掃除をして、自分たちが気持ちよく使えるように意識したり。

自分から積極的に掃除に取り組んだり、シェアメイトと協力をしてやっています。

そんな自分を見つけてはシェアメイトが協力してくれたり、同期のみんなが話を聞いてくれたりしていて。話せる人が増えてきて、来たばかりの頃よりもだんだんと不安は薄れてきている感じがしています。

島に来てよかったと思う瞬間はいくつかあって。
仕事をしているとき、風が気持ちよかったり、空が綺麗だったり。
そういうのびのびとした時間や、シェアメイトと過ごす時間が楽しいなって思います。
あと、夜眠れないときにシェアメイトが一緒に寝てくれたりして、お泊り会みたいで楽しいです。

崎地区まで、みんなで星空を見に行きました。

次に来る人たちに「また来たい」って思ってもらえるような環境づくりを。


僕は、「空き家×農業プロジェクト」で働いています。

将来の夢を考えながら、地方のほうで暮らしながらどんな仕事をするかなって考えたときに、農業をしながら建築をする暮らしをイメージしていました。
建築を学ぶなかで地方創生だったら、「空き家」というキーワードを結構耳にすることが多くて。
なので、自分の興味のあることと重なった「空き家×農業プロジェクト」で働くことに決めました。

主に農業チームと、空き家チームに分かれてやっています。
1月はやること少ないよって言われていたんですけど、意外とやることたくさんあって。
農業では、野菜の収穫であったり、4月から植える野菜の準備をしています。
天気が良いとき、野菜の収穫をするのが楽しいし、採れた野菜を食べたりするのがうれしいです。

仕事終わりにたくさんの水菜をいただきました!

空き家では、家主さんが出ていった状態のまま残っている家が多いので、家具の運び出しやカーテンを取ったり、備品をまとめて捨てる作業をしています。
そして、埃が多いので、掃き掃除をして。
なんとか歩ける状態、呼吸ができる環境にすることを今は行っています。

空き家にあったものをまとめる作業をしています

今、空き家を整備していて、4月から来る人たちも使うシェアハウスになる予定だけど、だんだん綺麗になっていくのが嬉しいし、その家が綺麗になることで、隣の家の住民さんや、地域の人が喜んでくれる。
そして、なにより毎日4月から来る人のことを思って作業ができているのがとてもやりがいに感じていて。
「喜んでくれるかな」って想像しながら取り組めるのがとても楽しいです。

「空き家×農業プロジェクト」は1年目のプロジェクトなので、みんなできることを探しながらやっています。
やっていくなかで自分はPJメンバーのなかでも、もっと強い想いを持って活動に取り組んでいて。
ミーティングのときに「もっとこうした方が良いんじゃないか」と気になっていたことを伝えたら、結構風通しがよくなったような気がしているので伝えてみてよかったなと思っています。

空き家が綺麗になったら、地域にとっても良いなって思うし、自分のためにもなる。
そして、やったことで「また来たい」って4月に来る人たちにも思ってもらえたらうれしいです。

今、自分ができることをやる。胸を張って「ただいま」と言えるように。

まずは4月から来る島留学生のためのシェアハウスの整備を頑張りたいです。
自分にとっても海士町にとっても、島に帰って来たいと思えるようなお家の環境づくりをしたい。
今、自分ができること、自分にしかできない仕事を任せて頂いてると思っていて。
来て間もない自分の意見を聞いてくれたり、野菜をいただけて、やりがいをもって取り組めているので。
遊びたい気持ちもあるけど、今は家のことで精一杯だから、それが今できることだと思うし、同じシェアメイトのためにも家事はちゃんとやっていきたいです。

そのうえでやりたいことは、エッセイを書くので、日々思い、感じたことを大切にすること。
自分の好きなものは好きって言えるように、何気ない日常の風景に心が動いたら写真に残していきたい。
まだ不安はあるけど、北海道に帰ったときに胸を張ってただいまと言えるように、残りの期間やりきりたいです。

梅ちゃんが「自分のためにも、次に来る島留学生のためにもシェアハウスの整備を行っていきたい」と言っていたことが印象的で。
言葉にするだけでなく、実際に仕事やプライベートで色んな人を巻き込みながら行動している姿がとても良いなと思っています。
普段関わっているなかだけでは気付けなかった想いや、梅ちゃんのことを知れてとてもうれしいです。
そして自分の夢や「好き」を大切にしている梅ちゃんと話しているととても楽しくて。これからもよろしくね!

あとがき~インタビューしてみて~

(R6年度10月期島留学生:山口)

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