日本は百合に寛容のウソ
定期的に「日本には百合があるので同性愛には寛容である」という言説が出ては、SNSなんかでけっこう拡散されたりします。
ただ、私の個人的な経験で言えば日本人が百合に対して寛容だった気がまるでしませんし、そもそも「寛容」という言葉自体が上から目線すぎてその時点からして尊重する態度がありません。(ついでにマジョリティ側が得意がって使う「多様性」もグロいです。)
そもそも「寛容」とは何を基準として具体的にどうであるから「寛容」なのでしょうか?
比較として挙げると、上記のサイトの引用部分の記述によれば、欧米では「同性愛者女性は異性愛者女性よりも暴力被害に遭いやすい」という調査結果があると問題提起されています。
上記動画は2008年にカルフォルニア州リッチモンドで起きた、女性同性愛者が複数の男性によって強姦された事件を報じるニュース映像です。(間違っていたらごめんなさい。)
犯行の最中に同性愛を侮辱する言葉があったということで、ヘイトクライム認定されているらしいです。
さて。「日本は同性愛に対して寛容」なる言説ですが、そういった欧米での事情に対して「日本は寛容」であると言っているのでしょうか? 様子を観察しているかぎり、別にそこまでの知識があって「日本は寛容」と主張しているようには見えません。
どうやら「百合作品をいちいち潰したりしないから」なる理由で「日本は百合に寛容」と主張しているようなので、ここでは一旦そういう意味で「寛容」ということにします。
では、そういう意味で「日本は百合に寛容」なのかと言えば、これは完全にNOであります。
昔に書いたものを再度書き直すのがイヤなので改めては書きませんが、「百合に挟まる男」は、百合イラスト投稿に対して「俺が入りたい」願望を作者に直接投げかける行為が度重なって起きて、それにウンザリした人たちが呼びだしたのが発端の言い回しであり、そういった現象を見ると「日本は百合に寛容」というのは大ウソということになります。
何気に『やがて君になる』も日本の同性愛否定を観察できる作品です。これまた昔書いたことなので改めて詳しくは書き直しませんが、アニメ化前から「この作品は同性愛などにとどまるものではなく~~~普遍的な~~~」みたいなことが言われ、それがまたトラブルへと発展した漫画作品であります。おまけに、連載終了後も同性愛を否定する作品として認定されては揉めるという事件も起きています。
何故『やがて君になる』にはそういったことがよく起きていたのかとなると、作者の人の同性愛に対するスタンスに問題がなかったとは言い切れないと思います。その辺りも過去に書きましたので、ここでは省略しておきます。
ここで挙げたのは、売り手側が曖昧で緩い設定でキャラクターを売ろうとする作品の例ではありません。それ故に、「百合に対する不寛容」が色濃く出ているわけであります。
それでも、この記事に対して「いやいや、日本人は百合に対して寛容なんだ。お前が述べてるのは偏った言いがかりだ」と考える人がいるかもしれません。そういう方は、またご自身で具体例を持って独自に主張してください。了。
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