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【利用者インタビュー】自然との関わり方は人それぞれ。ー山と人を繋げる場をつくるー


あなたの「ちょっとしてみたい」を応援するコワーキングスペース・オトナリ。ワーキングスペースの他にもキッチンや和室もあり、その活用方法は人それぞれです。
今回はお仕事で実際にスペースを利用されている舩木海さんに、お話をお聞きしました。
フリーランスで活動し、森林に気軽に入って山のことを学んで欲しいと言う舩木さん。どんな取り組みをされているのでしょうか。

(取材・文/山根若菜)

〈舩木海さん〉
島根県松江市出身。島根県立農林大学校を卒業し、林業事業体で5年間勤務した後、現在はフリーランスの木こりとして山林活用の活動などを行っている。

楽しく活動できるから、自然と山を知っていく

ー普段はどのようなお仕事をされていますか。
舩木さん(以下、敬称略):フリーランスの木こりをしています。普段は、依頼された方の家の草刈りを行ったり、木を切ったりする外仕事をしています。
また、土日など休みの日には、一般の方が山で体験ができるような場所やコンテンツづくりを行っています。
現在は島根県の東部に数か所ほど山を借りていて、活動のフィールドに使わせてもらっています。

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ー山を活用して、どのようなことをしていますか?また、どういった方が主に参加されるのでしょうか。

舩木:主に、自然に興味はあるけど、どのように関わっていいか分からないという人が多く参加されます。
具体的には、もともと自然に興味のある方や、山の中を散歩したいといった方が、遊びに来る感覚で来てチェーンソーなどの道具を使って木を切ったり、山で遊んだりしています。

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最近ではコロナ禍で外に出られなかったり、SDGsに注目が集まったりして、都市の人たちが森林に興味をもっている印象があります。しかし、普段の生活の中では森林に関わるきっかけが少ないと思い、そうした方が土日に余暇活動として来られるようにしました。
さらに、体験を通して、山に入るときに大切なことが分かり、危険な場所などを知っている人が増えていくと、僕の所へ相談に来なくても、自分の地区の山などに入れるようになっていくと思います。
そうした、山の知識をもった方が広がることで、色々な場所で人の手が入っている健康的な山を増やすことにも繋がると思っています。

ー自然に興味がある人に向けて、山をフィールドにして様々な関わり方ができることを伝えているんですね。
舩木:はい。山に来て、ただ遊んでもいいし、道具を使って開拓をしてもいいし、ゆくゆくは仕事にしてもいい、というように人によって関わり方にグラデーションがあるような感じです。
例えば、山に集まってみんなで焚火をするだけでも構わないんです。焚火するためには薪を切ってこないといけないし、そのためにはどの木を切ったらいいのかを考えないといけません。さらに、山の歩き道に落ちている枝をみんなで集めようとするだけで、道が綺麗になったりするんです。
参加する人は、山道を綺麗にするボランティアとして来てはいなくて、遊びの感覚で行っているから、楽しく山を綺麗にできるという感じですね。

人と山を繋げる入口になる

ーオトナリはどのように活用されていますか?
舩木:僕は基本的に山仕事で外に出ていることが多いため、相談に来られる方とお会いしにくいんです。
そのため、月に2回、オトナリのキッチンスペースをお借りして特定の日に出張オフィスといった形で利用しています。実際にお客さんにここに来ていただいて、山の活用方法の相談を受けています。

相談に来た方で、自分の山をどのように整備したら良いか分からないという場合には、階段をつけて上がれるようにしてみましょうとか、そこで広場を作ってみましょうといった提案をします。
そして、そのためにはこの道具や技術が必要だということを合わせてお伝えします。それから後は自分で整備してもいいし、僕がお手伝いしたりして一緒に作ってみることに繋げています。

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ー山があるけど何をしたらいいか分からない人にとっては、便利な相談窓口になりそうですね。このようにフリーランスで働かれていて、やりがいを感じるときはどんなときでしょうか。
舩木:会社で働いていると、自分がこの仕事をすることで誰が喜んでくれるのか分からないことがありました。
ですが、現在は頼まれた方の家の草刈りをすれば、その家の方の喜ぶ顔が見えるし、山の整備をすれば、その家に住んでる人が楽しめるだろうなといったことを想像できるんです。
そのような相手の喜ぶ顔が見えたとき、やりがいを感じます。

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山をフィールドに、人が繋がり合う場を

ー森林には人それぞれの関わり方があるとのことでしたが、これからやってみたいことなどがあれば教えてください。
舩木:森林に生えている木の太さや長さ、数を手作業で調べるという仕事があるのですが、去年はそれを応用したスポーツを開催しました。例えば、木に点数が決まっているピンクや黄色などの色テープを巻いておいて、制限時間内に木を測定して点数を競います。
スポーツとして行うことで計測も楽しんで行えたり、道の整備にも繋がったりしています。
こうしたスポーツ大会も、秋に開催出来たらいいですね。

今年も山で行うスポーツなど、色々な活動を企画しています。山や自然に興味のある様々な人が集まって、無理のない範囲で山の整備をすることを実践していけたらなと思っています。

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ー山を活用する方法は工夫次第で沢山生まれそうだと感じました。
本日はありがとうございました!

【インタビューを終えて】
インターン生:山根 若菜(大学2年生)
舩木さんが、相談相手に合った形で山の活用方法を提案されていたのが印象的でした。
雲南市には自然が溢れていますが、放棄された農地や人の手入れをしていない山が多いというのが現状です。誰も立ち入ろうとしない場所には、まだまだ活用できる可能性があり、自然が人と人を繋ぐ場になっていくんじゃないかと感じました。
将来、そのような場所が島根県に増えていったら、自然と町の人々が共存した魅力的な町になっていくかもしれません!




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