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師走を走る

「走れ!って言っとけ!」
って言われたよ。
と帰ってきた弟。

小学生の時に所属していたサッカーチームのコーチがたまたま会った弟に私の近況を聞いたらしく、
「走れ!」と伝言を残して走り去ったらしい。
コロナ禍真っ只中の大学生の頃。

私がサッカーをやってたのは10歳~13歳の冬まで。
まあよくある話だけど
地方で、
女の身で、
とか色んなしがらみを無視して、
小学生の頃のノリで中学のサッカー部に入った
13歳の春。

入学式の代表挨拶で
「サッカー部に入りまーす」
なんて言ったから、後には引けなくなってそのまま入ることにした。正直入るのを悩んでいたから宣言した方が味方を作れそうとか思ってた節もあったし。

入ったは良いけど、あの時の私には色々難しい問題が山積みだったな。
第二次性徴を迎える思春期や体格差の出てくる時期に男子に混じってサッカーをやるのはキツかった。
人間関係だって上手くいかなくて、
もがいてもがいて。
気がついたらサッカーを嫌いになる一歩手前だった。

だから、
辞めた。

あぁ、これ、10年前の今頃の話なんだ。
と山手線に揺られながらこれを書いている。

「走れ!」と言ったコーチはサッカーを好きな子を増やしたいからクラブチームを作ったという人で、勝ち負けというよりお遊びに近いサッカーだった。
そういうコーチが私は好きだった。

本当は留学したかったり、色々やりたかったりした事を諦め続けた日々を送っていたコロナ禍。
あの頃、コーチは40歳をゆうに超えていても毎日欠かさずすごい距離を走っていた。(と聞いている)近所だったからよく知ってる。
一方私の方は色んなものを諦めて、諦めて。

「走れ!」はコーチなりのエールだったのかも。

とか今になって思う。

たまたま最近仲良くなった人生の大先輩も毎日ジョギングをしているらしい。
その方からも
「走ってみるとさ、色んなことが馬鹿らしくなるよ」
「生きるか、死ぬか、みたいな辛さだし」
「でも、走りきったあとの達成感は今日の自分に勝ったって思えるからいい」

なるほど。
知らん間に色んな事を考えてしまったり、
すぐに分析してしまったり、
使い方によってはいい事を私はまだ自分にとってプラスになるように使いこなせていない。
だからすぐ要らないことで悩む。
そんなのはわかってるんだがな〜。
重たい腰を上げるために
「走るか」
とか思ってしまった。

この師走に。笑
東京って思ったより寒くてちょっとうっかり風邪を引いてるんですが。笑

私の心拍数は51bpmでマラソンやダンスなどの有酸素運動アスリート向きの心臓をしているらしい。
ちょうどいい。
師走にひとっ走り。
してやろう。



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