おんなじ色

落としました　落としました
砲弾轟く日常に　彼は顔を落としました　

忘れました　忘れました　
こぼれ落ちる恐怖に　名前を書き忘れました　

伝えますか　伝えますか　　
吹き飛んだ臆病に　散り冷めた熱を伝えますか

いりません　いりません　
撃ち抜かれる銃弾に　私の愛はいりません　

捨てました　捨てました
湧き出る覚悟に　明日の命は捨てました　　

重ねました　重ねました　
流れ湧く赤に　貴女の姿を重ねました

求めました　求めました
見知らぬ土に　故郷の匂いを求めました　　

拾いました　拾いました　
あと一人　あと一人と　命辛々拾いました

帰れます　帰れます
崩れかけた現実に　躓きながら帰れます　　

ありました　ありました
見上げた目先に　おんなじ色がありました