【39.演奏してみよう🎶】リズムの強弱とアウフタクト
ピアノをはじめられてから間もない方、初心者の方に向けてお話しています。
皆さんの中には、「楽譜はきちんと読めていて、ピアノを弾く事にも段々と慣れてきたのだけれど、上級者の方の演奏のようには弾けないにしても、何だか違っているような気がする」といった悩みを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時に少し考えてみてほしいことをお話します。
楽譜には必ず拍子記号がついていますね。2/4、3/4、4/4、3/8、6/8、2/2、3/2などの拍子記号のことです。ここでは主に図で示した通り、4/4、3/4、6/8についてお話しますが、各拍子には強弱があります。
4/4であれば、1拍目 2拍目、3拍目、4拍目と進むにしたがって
強 弱 中強 弱
といった具合に習います。幼い頃に訳もわからず、「リズムの強弱だから覚えてね」と言われ、そのまま強、弱、中強、弱と覚えていきました。がリズムの何たるかを学ぶ中で、「これは音の大きさに関して言っているのではない」ということに気付くのです。
強拍、弱拍ともに心理的なものであると言われていますので、ただ単に音を強く、弱くすればよいということではないことがわかります。では何が強く、弱くなのでしょうか?
皆さんがピアノを演奏しているときの実際の音を想像してみてください。
例えば左手の伴奏部分について4/4拍子で
ド ソ ソ ソ
を演奏したとしますと
ブン チャー チャー チャー
と聞こえてきませんか?
特に1拍目のブンの箇所と2~4拍目のチャーの箇所が同じように響いていませんか?若しくは1拍目のブンの箇所よりも2~4拍目のチャーの方が強く鳴っているということはありませんか?この時の音の鳴り方が問題になってきます。1拍目と2~4拍目の拍では先ほど図で示した通り、強弱が違っていますね。(音の大きさの問題でないことは解っています。)
ここで問題になるのは、音を弾く時の鍵盤にかかる指(もしかしたら腕の方も)の重みなのではないでしょうか?
目の前にボールがあります。このボールが地面に落ちたとき、バウンドするたびに勢いが小さくなり最後にはバウンドしなくなりますね。1回目のバウンドが一番エネルギーが強いと思います。小節の中の1拍目というのはそのボールのバウンドの1回目に相当すると考えますと、小節の1拍目が一番指や腕の重みが強い拍であると言えるでしょう。結果的に音は強くなったり、弱くなったりしますが、ただ強い、弱いということとは意味合いが違います。したがって2~4拍目の弱拍や中強拍の役目もおのずと理解できるでしょう。それを踏まえて先ほどのドソソソを考えてみましょう。
ド ソ ソ ソ
ズン チャッ チャッ チャッ
のように聞こえるように指や腕の重みを変えて演奏してみますと、何だか違っているような気がすることへの答えが導き出されます。同様に3/4、6/8で考えていきますと
3/4 分かりやすくワルツで考えますと
ズン チャッ チャッ
6/8 こちらは
ズン チャッ チャッ ズン チャッ チャッ
強 弱 弱 中強 弱 弱
となり、2拍子のような感覚になります。
このように小節の中で拍の重みを考えて演奏されますと、例えば演奏するテンポが多少指定のテンポより前後しましても、曲の雰囲気を壊さずにその曲を演奏できるのではないかと思います。この拍の重みがよくわからない演奏になってしまっては曲が台無しになってしまいますね。
また、曲を弾き始める時に楽譜を見てみますと、はじめの小節に音符が足りないという曲に出会うことがあります。例えば譜例のような曲の場合、4/4拍子で書かれていますので、1小節には四分音符が4つ入ることになっています。が初めの小節には四分音符が1つしかありません。またよく見てみますと、最後の小節の音符も四分音符3つ分の音価しかありません。このような曲の場合、はじめの1小節の音を1拍目とは数えません。図で示した通り、はじめの小節と最後の小節を合わせて1小節とみなすためです。このような拍数の足りない小節を不完全小節と言います。
※譜例の中の赤数字は拍数を示しており、指番号ではありません
最後の小節とはじめの小節を入れ替えて並べてみた図をご覧ください。一般的な楽譜においての4/4拍子のリズムの強弱を書き添えましたが、最後の小節の1拍目、2拍目、3拍目が強、弱、中強となり、最初の小節の4拍目にあたるソの音が弱になります。このようにリズムの強弱が弱の拍からはじまる曲のことを
弱起(じゃっき)の曲=アウフタクトと言います。アウフタクトの曲はたくさんありますので、楽譜をご覧になって、音符が足りないなと思われましたら、「こいつはアウフタクトだな😁」と考えてリズム的に弱からはじめるように致しましょう。
リズムの強弱のお話はいかがだったでしょうか?何が何でもこのように弾かなくてはならないという具合に考えられては、それはそれでちょっと違うかなと思われるのですが、実際にご自分の演奏される音を聴かれるて指や腕を鍵盤に乗せる時の重さに注意を払っていかれますと、より素敵な演奏に近づいていかれますので、是非試してみてください。
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