『アンコンシャス・バイアス』
人々は皆、無意識の思い込み・偏ったもの見方(Unconscious Bias、アンコンシャス・バイアス)と共に過ごしています。
最近は『アンコンシャス・バイアス』という言葉で理解する人も多く、様々な領域で着目されてきていますね。
情報源として、実は自分はきちんと読んではいないのですが、Thinking, Fast and Slow (Daniel Kahneman, 2011)あたりは有名どころで翻訳本もあるようです。
情報が多く出てきていることで、「そういった思い込みがあるのか」という気づきが生まれ、その呪縛から逃れられた人々もいるでしょう。
ですが、今もその影響を受け続けている人々もいるのではないでしょうか。
無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)には例えば以下のようなものがあります。
親近感バイアス(Affinity bias)とは、自分と似ている特徴を持つ人を好むということですが、これはイメージしやすいかもしれませんね。同じ地方出身者や同じ趣味をしていると知ると親近感が沸くなどの経験がある方は多いのではないかと思います。
ただ、採用、組織内人事、株取引、選挙などの様々な取引では正しい判断の妨げになるものでもあります。
ハロー効果(Halo effect)は、ある人(物)に対して1つの良い印象を持つと、人(物)に関する他のことについても好ましい感情を持ってしまうことですが、目立った特徴に引きずられて他の特徴の評価が歪められるという側面もあります。
皆さまは、「何で、あの人が!」って思ったことはありませんか。
確証バイアス(Confirmation bias)は、自分が信じている仮説や信念を支持する情報ばかりを収集してしまうことなどです。このバイアスにより反証する情報を無視または集めようとしないため、実際には必要な情報を見逃すリスクがあります。
研究者の皆様は(だけではないですが)要注意ですよね。
広告やSNSで拡散されている内容でも「私の好きな著名なあの人が言っているから正しいだろう」のような判断はラクなものです。
そして、つい、しがちです。
昨今、「多様性への配慮を考える際にアンコンシャス・バイアスを意識し始めた」という方も多いのではないかと思います。
でも、これらの無意識の思い込みに気づいたとしても、それだけでは問題は解決しないというところがミソかなぁ、と捉えています。
第一印象が大事、という話がありますが、
必ずしも第一印象が全て正しい訳ではないということです。
そして、自分の下した判断は正しいと思い込んでいることや、自分で決めたことを正当化することがあるかと思いますが、必ずしも正しい判断ではないことだってあるのです。
「だって、自分で決めたのだから」という信念は美しそうにみえますが、場合によっては考え直しても良いのですよね。
無意識の思い込みの存在を認識することで、その思い込みの影響を少なくして正しい判断をすることを考えるということが大事なのですね。
今日はここまでです。
読んでいただいた皆様に何か気づきがあれば幸いです。
ありがとうございました。