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大人の童話、切れつ続きつ。
書く、描く、観る、見る、聴く、聞く、訊く、話す、交わす、考える、乗る、漕ぐ、食う、寝る、遊ぶが慌ただしくも忙しく順不同にやってきては相手をしているものだから、なかなかまとまった時間を「読む」にあてられない。
読書は細切れ。長いスパンで放映される一話数分の連ドラみたいだ。
そんななか、ある読書会に通っている方から、こんどのテーマは『大人の童話』と聞いた。
少し前なら鼻であしらっていた「お子ちゃま向き」も、ここのところどういう風の吹き回しか、つむじを曲げて、にわかに興味のほむらを巻き上げている。
もともとが冷めやすく、そのぶん感化されやすい他人様より少なめ細胞の思考回路が『ドリトル先生』を思い描いた。
noteでコメントを交わした方から「オシツオサレツ」がすごい!と聞きた(オシツオサレツについては、dekoさんの『気まぐれ日記』参照)ことがトリガーだった。
「それって何?」という疑問が、本を手に取る扉だった。
胸を張れるもんではないが、もちろん初ドリトル先生!
好奇心は、盗み食いから守るため戸棚の上に忍ばせたお菓子の缶に手を伸ばすようなもん。
ページをめくる。
いつどのタイミングで手が届くだろう? オシツオサレツ。
そして、ついに!
航海記、73ページ目にして、とうとう手が届いた! 現れた! オシツオサレツ!
双頭のドーブツ、片方の頭が寝ている時にもう片方が起きている、24時間見張り番のような生命体。
こいつが物語にどのように関わってくるのだろう?
童心のまなこは、奇妙な動物の次なる一手を見逃すまいと躍起で、気が気でない。
ところが中盤を過ぎてもまだ現れてくれない、、、、。
毎度のことで恐縮なのだが、今回もまた読後感にあらず、読中感となった。
かくして一話数分の読書は日をまたぎながら、今日もまた少しだけコマを進めたのであった。