笑う門には福来る。
むつかしい顔してるより、むつかしくない顔をしてるほうが、話しかけやすい。
むつかしくない顔はいっぱいある。
気を抜いた顔。
ほっとした顔。
お腹がすいた顔。
照れた顔。
子どもが膝小僧を擦りむいたときにする顔。
「どうしたの?」とつい話しかけてしまう。
「近寄るな」サインが邪魔していないと、自ずと体内に備えた引力が働き始める。
笑う顔もそのひとつ。
門(かど)に福が来るという、福を引き寄せる顔。
「門」は家、家庭のこと。決して「角」ではない。
『笑う角には福来る』は誤用。とされている。
でも、家庭だけが対象になるのでは困る。
笑わないと福が来ないのでも困る。笑うから福が来るという順番ではなんだか辛い。
「福」は誰もが平等に享受できるもの。
それに、福に囲まれて笑顔がこぼれるほうが自然でいい。
「福」に囲まれた笑顔。
『笑う角には福がある』