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終わらない夢はない。
雪が積もった斜面は、格好の遊び場だった。
かつては。
それを時間の流れが洗い流してしまった。
道に溢れた車が危険だと、自治が立入禁止のテープを張り巡らせてしまったからだ。
道路は遊泳禁止のゲレンデ。溺死リスクを避けた代わりに、心の陽気に蓋をした。
ぼくらはいつ、どこで笑えばいいんだろう?
海もだめ、雪の坂道もだめ。
こればかりでは、日々痩せていく息もいずれ止まる。
せめて、空想の中で、手足を筋が伸びきるまで投げ出す。本当のトンネルを抜け出るまでのがまん。
いい思い出が終わっているのと同じように、終わらない悪い思い出もない。