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焦燥戦。

ひたすら待っている。
目を潤ませて。

でも、自分からその步を踏み出すことはない。

焦燥戦にもちこまれると、人間のほうがほうが分が悪い。

焦燥は人の焦れた心をさらに焦がしていく。

片や猫ときたら、、、。

待つことにかけてはアチラさんのほうが人間できている。一定時間が経つとスリープモードに入るiPhoneのように、「撫でて」の懇願をいったんフリーズして、しかるべき時が来るのを待つ。
ときに瞼を抜けた羽が舞い降りるように無音で閉じ、冬の夜明けみたいに重たく開けて、待つ。

人は時間に従順。淀みなく流れる時間の一言一句を正直に受け入れるのに、猫は天邪鬼。一分一秒に惑わされることなく、感情の保留とワープを巧みに組み合わせてくる。
それは、時間の伸縮を操る猫が仕掛けた巧みな落とし穴。

焦がれて燃えた人の心が深みにはまってしまうのも、時間の問題。

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