続・私が苦手なこと五選

以前書いた「私の苦手なこと三選」という記事は意想外の好評を博した。そんなにみんな苦手なことが知りたいのか。いいけど。その記事では①複数人での会話②子供とのふれあい③先の予定、をリストアップしたが、欠けだらけの茶碗こと私にはまだまだ苦手なことがある。今回はボリュームアップして5つ挙げてみよう。

①同性とのボディータッチ
本当はこれを第一にもってくるべきだったかもというくらい苦手なことである。男性から握手を求められて断り、場を白けさせたことが何度あったか。それに自らが行うだけでなく、例えば男子学生同士が肩を組んだり小突きあったりしているのを見るだけでも鳥肌が立ってしまう。いわゆる「ホモソーシャル」というやつに強い苦手意識があるようだ。

②喉元に衣類などがあたること
これは、いわゆるシャツの第一ボタンをとめるようなことを想起してもらえればよい。私は第一だけでなく第二ボタンも常に開けている。マフラーも巻けないし、床屋でのカットクロスも最大限緩くしてもらう。喉元に何かがあたると反射的にえずいてしまうのだ。先日母が見た、自閉症の子供を主人公にした映画でも、子供は首の詰まった服が苦手と言っていたらしく、ひょっとしたらこれはあるあるなのかもしれない。共感できるという方は教えてほしい。

③通読
これは「通読」という言葉に引っかかる、といったほうがいいかもしれない。「通」とか「全部」って一体何のことですか? 全文字暗唱できることですか? そんな人いますか? ひととおり目を通すこと? その「一通り」って何? と疑問が湧出してしまう。私は通常3〜5行くらいを写真のようにパッパッと脳に収めながら読んでいくので、そもそも「文字を追う」みたいな感覚もわからない。あと、もし本に唯一ルールがあるとしたらそれは「私を全部読め」だと思うが、ルールであるからには是が非でも従いたくない。というわけでどんな本でも「はじめに」だけは飛ばす、とかのささやかな抵抗を試みるのだった。

④祭り
私は大の祭り嫌いである。即物的な理由としては、視線が多方向に入り混じること(スクランブル交差点のような状況)が苦手で、「背後をとられる」感覚がすごく怖いのである。それからもう少し思想的な理由(?)としては、祭りは「地元」とか「神」とかを讃えるものであるが、そうしたものは煎じ詰めて言うと皆「同一性」概念なのである。地元はいつでも地元、神はいつでも神…。ニーチェではないが、同一性アレルギーの私は祭りが持つ本性にそもそもソリが合わないのだ。

⑤スーパーに行くこと
これは④と若干重なるが、視線というより、様々な商品が雑多に並んでいることが怖い。ヴィレッジ・ヴァンガードなどがこの世で最も嫌いな店だ。「スーパーマーケット」という言葉を聞くと、私の中ではごく自然に「破れ目」という言葉が対句のように浮かんできて、他の人にはない感覚だと思ったので以前「スーパーマーケットの破れ目」という詩を書いた。とにかくゴチャゴチャしたものは苦手である。慣れたスーパーならまだ平気である。

というわけで、書き始めたら結構なボリュームになってしまった。あまり恨み節のような感じでものを書くことを好まない人間だが、第一弾が本当に意外なくらいに受けたので第二弾もやってみた。これで全然反響なかったりして…(笑)

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