街のクッキー屋が作る３年保存クッキー「おともクッキー」完成への道のり
わたしたちのこと
はじめまして。
埼玉県北本市というところにあるクッキーショップ「クル」といいます。
2010年に開業し、今年（2023年）で13年目となります。
最初は店主である私、ナオが一人で始めたお店です。
現在は8人のスタッフと、日々クッキーを焼いてお届けしています。
クッキーは、店主が美味しいと感じるものを、素直にお届けしています。
それに共感してくださるお客様やスタッフと一緒にお店を作っている感覚があります。
決して規模は大きくありません。
ありがたいことにお店に足を運んでくださるかたが多いときは、思うように提供できないこともあります。
でも、わたし個人としては、自分たちの「素直に美味しい」にしたがっていられる大きさなんじゃないかな、と思っています。
クッキーが「舌で美味しい」のは当然のことながら、
私は「心に寄り添うようなクッキー」でありたい、と思っています。
仕事、子育て、家事、介護・・・
様々なことに追われている方が、少しの合間でもクッキーをつまんで
ほっと心を楽にしてくれるようなクッキーでありたいな、と思っています。
ケーキだと、わざわざお皿に盛ってお茶を入れて・・・
となりますが、
クッキーならどんなところでもささっとチャージできる。笑
お迎えの車の中とか、
お客様の中には、忙しい厨房の作業の合間にしゃがんで食べているという男性もいました。笑
そして、色々な出来事や想いでお店を続けていく中で、
「クルの長期保存クッキーを作りたい」
という想いが沸きあがりました。
最初のきっかけは東日本大震災
私たちのお店がある北本市も、震度６弱の揺れを観測しました。
お店を開業して半年ほどの出来事でした。
まだまだこれから！というときに見舞われた震災。
計画停電が続き、予定していたイベントも軒並み中止。
これからどうしたら良いのか、不安に押しつぶされそうになりながらお店をやっていました。
そして、このインパクトは今でもずっと心の中に残っています。
それは、
「クッキーは役に立たない」
という想い。
お客さまに「こんな時にお菓子を買うっていう気持ちにもなれなくてね」
とはっきり言われたこともあるし、
有事の時のお菓子は後回し。
これは実際そうだと私も思っていて、
今ではお菓子に対しての私の基礎となる考え方になっています。
こうやって書くと、すごくネガティブな感じに聞こえますが
私のなかでは決してそうではなく、
「役に立たないのであれば、じゃあお菓子ってみんなにとってどういう存在なんだろう？」
ということを長い年月考えるきっかけになったし、
お菓子の立ち位置、というものを常に意識している気がしています。
役に立たない、のその次
ある時、ニュースを見ていたら、長期保存ができるお菓子を作っている企業さんが特集されていました。
「被災されたかたに話を聞くと、意外にも甘いものが食べたかった、という声が多いんです」
とおっしゃっていて。
あ、確かに私も、たぶん甘いものなかったらキツイ！かも？笑
と、思ったんです。
確かにお菓子は「役に」は立たない。
だけど、クルのお客様も、普段から役に立つから買っているわけではなくて
お仕事して、家事して、ご飯食べて、
それでも充分だけど、なにかを満たすために
きっとクルのクッキーをつまんでくれてるんだろうなって。
考えてみたら、クルのクッキーいつも買ってくれてる人たちが被災したら、日常に食べてくれていたクッキーどうするんだろ？！
と、不思議と不安に近い気持ちになりました。
そして、とても自然に「クルのクッキーを長期保存できるようにしたいな…！」
「いつもクッキーを買ってくださるお客様が被災された時でも、クッキーを食べてもらいたい！」
という想いに至りました。
長期保存でも、素直に美味しいものを
それからさまざまな長期保存のお菓子を取り寄せ、試食しました。
なかには添加物がたっぷりだったり、正直美味しいとはいえないものも多く…
出来る限り無添加で、そして被災したときだけではなく普段のおやつとしても美味しく食べてもらえるものを。
心が疲れて食欲がない時は、噛むこともしどくなる、ということも聞きました。
クルのクッキーは舌触りがよいのが特徴で、
クッキーのパサパサしたところが苦手な方でも美味しく召し上がってもらえているので
その良さは活かしたい。
「どんな時でも美味しく、そして”クッキーが手元にある”こと自体が心の支えになる」
そんなクッキーを目指そう！
と、このプロジェクトをスタートさせました。
街の小さなクッキー屋の挑戦です。
また次回に続きます！
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