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ちゃんと、手作りの保存クッキー。〜街のクッキー屋が作る3年保存クッキー「おともクッキー」完成への道のり⑧〜

埼玉県北本市のクッキー屋「クル」の店主ナオです。

ここでは、街の小さなクッキー屋が長期保存可能なクッキー
「おともクッキー」を開発していくプロセスを包み隠さず記しています。

おともクッキーをお店で作らない理由

今までの記事でも書いていましたが、「おともクッキー」は最初からお店ではなく他のところで作っていただくことを決めていました。

理由は色々ありますが、そのひとつに「自分たちが被災した時」のこともひとつあります。

万が一お店が被災し、作業ができなくなったとしても
お願いしている場所が無事であれば、おともクッキーだけは守ることができる。
そしておともクッキーの製造を稼働してもらうことで売り上げを確保し、スタッフたちの最低限の給与は確保したい。

私自身が東日本大震災で被災した時、お店を開けることができずに資金繰りに苦労した経験があり、心の片隅に「お店だけではなく、色々なお金の流れを確保しておきたい」という気持ちがいつもありました。

そしてこちらの記事でも書きましたが、いつもクルの小麦粉でお世話になっている前田食品さんにお力添えをいただくことになりました。

どんな場所でクッキーを作っていただいているのか、先日取材に伺わせていただきました。

お店で作るのと、ほぼ変わらない手作業で。

製造に関わってくださっている有山さん、神原さん。

有山さんとは、レシピの調整や試作、製造まで細かくやり取りをさせていただき、
有山さんの細かな調整で、満足のいくレシピに仕上がりました。

クッキーを成型している作業台

実際に製造している工房を見学させていただき、お話を伺って一番の感想は
「クル」で作っているクッキーとほぼ変わらないくらい手間暇がかかっている、ということです。

焼き上げているオーブン。クルで使っているものよりも水分量が少なく焼き上がります。

工房の規模はクルと比べものになりませんが、
生地を作り手作業で棒状に成型し、サイズを計ってカット、ひとつひとつ焼き上がりの確認をしながら焼成。

もしかしたら、長期保存缶というと、大きなレーンで大量生産をイメージされている方も多いかもしれませんが、このおともクッキーはびっくりするくらい手作業で丁寧に作ってくれています。

初回納品をたくさんの量を製造していただきましたが、この量をこの作業量でやってくださったのか・・・と思うと・・・申し訳ない気持ちです。笑



「クルのクッキーを、いざという時のクッキーにしてほしい」
という想いは、この手間暇をかけて焼いていただいていることで実現しています。
その分、本当に特別な長期保存クッキーが出来上がったと思います。


たくさんはできないけど、だからこそ「あなた」へ届けたい。


今、ローリングストックという考え方が広まっています。

普段食べられる加工品やお菓子を保管しておいて、食べながらまた新たな加工品をストックしておく、というものです。とても素晴らしい取り組みだと思います。

クルのお店で焼いているクッキーは、とても期限が短いのでこのローリングストックにはなかなか入り込めないですが、
このおともクッキーなら食べながら保存しておけます。
そして、前田食品さんが「クルの良さを壊さないように」と伴走してくださったことで実現しました。

手間暇を考えると、他のお菓子に比べてどうしても高価にはなりますが、
長期保存缶としてその価値は充分感じていただける仕上がりになっています。
不特定多数の人にお届けするものではなく、「あなた」へ届ける。
そんなイメージを持ってお届けできたらと思っています。

紆余曲折あって前田食品さんにお願いすることになりましたが、結果的にベストな形になったと感じています。
クルのクッキーを好きなかたはもちろん、クルなんて知らない!という人にも自信を持って食べてほしい!そう思えるクッキーです。

前田食品さん、ありがとうございました!

次回は、クッキーの缶詰めをしてくれている浜松の「るみ共同作業所」さんをご紹介します。

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