「ホリディ」 婚約破棄後のどん底にいた自分を肯定させてくれた映画
2007年3月24日に公開された
「ホリディ」という映画がある。
キャメロン・ディアスと
ケイト・ウィンスレットのダブル主演で、
舞台もダブルのビバリーヒルズとロンドン。
クリスマスの時期に2人の女性が失恋をし、
お互いの家を交換する「ホームエクスチェンジ」を通して
新しい人生を展開していく恋愛映画だ。
私がこの映画と出会ったのは今から約15年前で、
婚約中で長年付き合った彼と
意見の違いで別れたちょうど後だった。
自分で決断をしたとはいえ、
当時は寿退社もした後で視界は真っ白。
毎日仕事中にトイレに行っては
こっそり泣いていたメソメソな自分が嫌になり、
🔍「明るい気分になれる映画」
🔍「失恋後に前向きになれる映画」
をキーワードに
ひたすら検索をした結果、
出会えた映画である。
作中で最も大好きなシーンは
ケイト・ウィンスレット扮するアイリスが
ビバリーヒルズの家
(キャメロン・ディアス扮する
アイリスと交換した家で
婚約者もいるのにイギリスから訪ねてきた
二股野郎の恋人、ジャスパーに
下記の怒りをぶつける場面。
最高なのは、追い出した扉を閉めた後、
ガッツポーズで雄叫びを上げるシーンである。
この「自分は今まで何に囚われていたんだろう?」と、
はっ!?とする瞬間。
「ここまでいろんな辛い思いと我慢も
乗り越えてきたのに、今終わるなんて…」
という怖さから目が覚めて
「もう無理なんだな…」と吹っ切れた瞬間が
自分の経験とすごく重なった。
それでも
「自分が悪いんだ…。私に魅力がないから…。」
と責めてしまう思考がしばらく続き
仕事中もどよ~んと悪循環になってたのだが、
この映画を観て、
「別れるのは自分を大切にする勇気ある決断」と
すぅ~っと思えて回復した。
作中、アイリスは隣家に住んでいる
元脚本家の老人、アーサーが
表彰式への参加に卑屈になっていることを知り、
歩行ができるように一緒に訓練をしながら
心身共に鼓舞してサポートするシーンがある。
他人のことなら、
「それってすごい! 素晴らしいです!」と
簡単に分かる魅力が、
自分のことや置かれている境地にいるときは
客観視できないもの。
同様に「やめたほうがいいよ」という状況も
他人には視えているのだろう。
実際、私は盲目で
友人と両親のアドバイスを聞き流して
全てを都合の良いように美化していた…。
元婚約者とお別れをした後、
「大切な人の忠告には耳を貸す」という教訓が
すんなり入ってきたのも
この映画の影響かもしれない。
この映画を観た数年後、
私は新しい職場で出会った今の夫と結婚することになる。
自分でもびっくりだが、国際結婚だった。
同じ屋根の下で
日本語でずっと会話はしているものの、
刺激あり、衝突ありの日も多々ある。
本映画のような
ホームエクスチェンジとまではいかないと思うが、
そんな新鮮な気分をときどき味わいながら
過ごしている。(笑)