映画レビュー#004 『キャロル』(2015年)
ケイト・ブランシェットの美しさと、ルーニー・マーラの可愛らしさにため息をつきながら見とれているうちに終わってしまった118分。
1950年代のニューヨーク。まだまだ同性愛など性的マイノリティへの理解もない時代。デパート販売員のテレーズ(ルーニー・マーラ)と人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)はクリスマスプレゼントの販売や手袋の忘れ物などきっかけに急接近するのだが…。
ただ偶然にも出会った二人が女性同士だった、っていうだけ。本当にそれだけのこと、って言いたくなるぐらいに自然で何の違和感も感じなかった。
同性愛やLGBT的な視点というよりは、「本当の自分」や「自己解放」について考えさせられる映画だったかな。
「自分を偽る生き方では私の存在意義がない」
とにかくキャロルとテレーズが自然で。全て理解できないまでも「なんかわかるわ~」って思うことが多々あった。こんな僕でも。キャロルの家から帰るときにテレーズが流した涙とか。あれは泣くよなぁとかね。
まぁ出逢った瞬間から「あー、これは落ちるよねぇ」って思えたし。渦に飲まれていくみたいなもんだ。抗えない。
まだまだ男性社会というか男性が強い時代の話。社会的地位のある男性にとって、美しい奥さんはお飾りに過ぎない。
テレーズの彼氏もその周辺の男性たちも、なんとなく自分たちの思い通りになると思ってる。割とクソ。
同じ男性としてもちょっと嫌だったな。
街を行き交う車を含め街並みが美しい。
行ったことないけど、ニューヨークは冬が似合う。
キャロルとテレーズの服装、小物など全てがオシャレ過ぎてつらい。
テレーズの小さい腕時計、つけ方も含めかわいかったなぁ。
ケイト・ブランシェットの煙草の吸い方が素敵。マティーニなどお酒の飲み方もセクシー。
ルーニー・マーラの帽子は本当にかわいかったなぁ。マジで天使。
映像もキレイだった。雨やガラス越しの映像が多く、全体的にあるちょっとブルーな雰囲気を映し出してる感じ。
音楽もジャズテイストでしっとり。
キャロルとテレーズが向かい合って話し出すと周りの音がスッと小さくなるのが気持ちいい。
テレーズが撮る写真が素敵。構図もキレイ。フィルムカメラってやっぱりいいなぁ。現像しているテレーズがなんだか艶めかしく美しかった。
他の出演者の印象が薄まってしまうぐらい、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが素晴らしかった。セリフだけでは表せない仕草や手の動き、視線や表情など。
最後のケイト・ブランシェットの表情はすごかった。どっちにも取れるあの表情。すごかったなぁ。
あと、観ている間ずっと思ってたけど、ルーニー・マーラの前髪が最高だろ、と。
鑑賞日2020年2月14日(Netflix)