おうちで絣

みなさん「絣」と書いてなんて読むかご存知ですか?

もち?ではなく「かすり」と読みます。

なんのこっちゃという感じかもしれませんが要するに名前のまま人の手によって作られた掠れた柄の布の事や、その技法のことを指したりします。

まぁいわば伝統技法なんで派生とか色々あるわけでして、どんなものかっていうのはググって見ていただいた方が早いと思います。

でもざっくりどういう技法かと申しますと、作りたい柄の白く残したい部分の経糸(たていと)もしくは緯糸(よこいと)をビニールテープとかで括って染めてから織始める技法のことです!

ん?って感じですよね〜まぁ別に知らなくても死なないのでなんとなくで大丈夫ですよ笑

で、今回私は二つの作品を絣の技法を用いて作りました。

本来は大学で細い糸で長いものを作る予定だったんですがコロナがコロコロしてたので大学から道具を送ってもらって急遽お家で制作をすることになりました!

糸染めはカセットコンロで、織機は油絵用の木枠に釘を打って使いました!

流石に糸の細さは毛糸台でしたけど意外となんとかなるもんなんですね、

使った糸は百均とかで売ってるような毛糸玉ぐらいの太さのウールの糸。


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まぁお家で最初からほっそい糸で織物を作るっていうのは実は結構難易度高いのでしょうがないっちゃしょうがないんですけど授業といえどちょっと手芸教室感漂っちゃいましたね。家なので。

今回の作品で私は絣織の技法がどんなものか全くわからないところからアイデアスケッチを始めたので、テーマを

”ベランダにあるローズマリーの葉っぱのぴょんぴょんした感じ”

にして制作を進めていました。

↓スケッチとイメージ画像です

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↑この葉っぱの交差した感じをちょっと簡略化して図柄としてパターンに起こせたらいいのではないかと考えたわけですよ。

でもこの時点で私知らなかったん(最初にあんまり知りすぎちゃうと発想が狭まるのであえて技法について細かく教えない、という教授の思し召し)ですけど今回の絣の技法って斜めの柄出すのがすごい難しいんですよ、なんでかっていうと経糸と緯糸の糸を縛って柄を作るので、できる柄が垂直の関係になりがちだからなんです。

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でこれらの↑ビニールテープで絞って染めたものを並べまして↓

(家感が半端ないな…)

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こんなふうな柄を作っていくんですよ!

絣最終案のはず

考える上で難しかったのは

自由に線が引けないっていうところ

が染のプリントとは違って別に考える脳みそが必要なポイントで、

1行あたりの柄の個数も3パターンって決まってて(制作時間的に)その3パターンをずらしたりしたりしてどうにかこうにか作りたい画面を完成させようっていう課題なんですよ。(上の画像の縦の行のパターン、多分3種類でいけてるんでちょっと数えてみて下さい)

でもどうしてもドットみたいな柄になるんですよね、糸が太いから。


そして出来上がったものがこちらになります↓

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ね、掠れてるでしょ?括って染めて解いて…っていう作業工程の中でどうしてもズレが発生するのでこうなるんですよ!

でもそこがこの技法の味なんですね〜

こんなに大変だったのにジャギジャギに掠れてしまって悲しい…と思ったのですが、まだ一作目だしへなちょこすぎて味というよりはちょっと稚拙に見える…

…かも!しれないんですけど!でも縦のパターンをずらして使うっていう新しい考え方や糸の色が黄色が白と溶けちゃって消しあってしまうっていう事や経糸と緯糸で色糸同志を合わせると色がはっきり見えるなぁ〜っていうのを学びました

また、今回のテーマのとしてやりたかった”ローズマリーの葉っぱの自由なぴょんぴょん”は表現するのが課題として難しかったんですけど自分なりに簡略化してパターンにしたという経験は得られたかな〜と思います!



ちょっと真面目な余談

この課題を制作する前にネット上だけでなんですけどちょっと絣の歴史とか今の生産地がどんどん少なくなってるとかっていうのを読んで、(まぁ伝統工芸は大体全部そうなんですけどね)現代において”インスタ映え”とか身近な所からの「完璧、綺麗な既製品感」が求められる中で、こういった職人の技による「手間隙かけて」「わざとぼかした」「味」みたいなものを尊ぶ感性って「効率重視」っていう風潮に押されて結構死んできてるんじゃないかな〜って思ってちょっとセンチメンタルな気持ちになりました。

まぁ普通に考えて「簡単にできて」「安くて」「綺麗で派手」なものが好まれるのは当然ですよね〜

なんか「一点もの」を尊ぶ精神がインスタ映えによってちょっとずつ若者の間に普及してきてるように感じるんですけど、それが

綺麗なもの、リツイートとか♡稼げるような人目を引くものだから

尊いとしてるんじゃないのかっていう風に思っちゃって(実質それはそれでいいと思うけど)その

「手間暇かけて伝統を守って作った」

っていう所へのリスペクトはあるのか…?って思った。。んですよ。。

まぁ自分も常日頃からそんな風にちゃんと考えて生きてるのか?と聞かれるとガンガン百均で物買うし服とかもできるだけ安いの探して買いますけどね…

だからといって今ある便利な機械を全部なげうってみんなで昔の暮らしに戻ろう!っていうのも全然違うと思うし、絶滅危惧種だって言ってもてはやして今の技術とコラボしてその工芸の芯だったものが揺らいでしまうっていうのも個人的に???って思うんですよね。。。色々な世代に広めるのはいいけどその工芸の芯は失われてない大丈夫??って思う。。難しい…

でもそういう事を作る視点から考えられるっていうのは、ものづくりに関わる道にいてラッキーだったな、って思いました♪


おわり♡


ここまで読んでくれてありがとうございました!





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