東京あれこれ①
東京の写真集は数あれど、特に好きなものといえば、この二冊。
ホンマタカシ
東京郊外 TOKYO SUBURBIA
中野正貴
東京窓景
東京は人工的に作られたものが多い街で、だからこそ、そこにある人間や、自然がより浮かび上がってくる。
人間っぽさや、生きていることを、却って大きく感じたりする。
目立とうとしたり、わかりやすくしようとする気持ちから、意図せずごちゃごちゃしてしまった広告たち。
なんだか人間っぽくて、愛おしい。
建物も、一見すると東京の冷たさを醸し出すようでいて、じつはゆるゆると周りと共存していけそうな色をしている。
人工物の上に浮かび上がった人間らしさは、確実にあたたかい。
思いがけない回り道をしたり、なんでもない話をして笑い合ったり。
そういう人間らしく生きていることが、とてもよく見えてくるのだ。
…そんなことを考えながら、いつまででも見ていられる写真たち。
瞬間を切り取った以上のものを、確かに強く、感じます。