海にたたずむ
ホテルの部屋、
友人たちは日中の疲れに
ベットでたおれていた
ベランダに出て、外の海を眺める
夕暮れが美しい
その美しさに触れたい気持ちが、
異国の海にひとりで行く怖さを
うわまわってしまった
エレベーターでロビーへ下り
ホテルの前のビーチにでる
あたりはカップルや親子連れが
夕暮れを楽しんでいた
ワンピースのまま海へ進んでいく
波の色が染まっていく
ふと振り返ると
浜に、君が座っていた
いつのまにか
隣の部屋から降りてきていたのだ
驚く私に、ただそこに静かに座る君
波のように揺れ動く私に
砂浜のようにどっしりとそこにいる君
まるで私たちのようだった
私と君の距離はいつも
海と陸を隔てるように
近くて遠い
交れど遠ざかる
よせては返す波のように