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ひと粒の光に

いつかあなたが植えた、
あの花は今年も咲いただろうか。

その人生の大半で、
花と人を育てていたあなた。
ただ花と人を愛し、ただ日々を愛していた。

そんなあなたの後ろ姿を、
みている時間が好きだった。

あなたの命は、
あの花たちに、私たちに注がれていたのだろう。


そう、この命には限りがある。

この命をどう使おうか。
この命を何に注ごうか。

それぞれの命の形を、
あらわし、受け取り、混ぜ合わせ
最期の時まで残していたい。

誰かの物語のひと粒の光となるように。