夢の部屋
海が見える小高い丘の上に
そのアパートはあった
2階の南向きの窓を開けると
潮風と陽のあたたかさを感じられる
そのまわりには
ポツリポツリと家や民宿があり
海を望む公園の横に小さなカフェが一軒と
個人商店のわりには小さなスーパーのような
品揃えの良い店がある
長く緩やかな坂を歩いてくだれば
5分ほどで海にでる
夏には海水浴で多くの人で賑わうが
シーズンを終えれば
ただ散歩に訪れる人がちらほらと歩くだけ
もう少し歳を重ねると
この坂もキツくなるかもしれない
だけどそれまでは、
毎朝、毎夕
海へ散歩に行く
海水浴場へくだる道と反対方向の道には
急な階段があって、そこからなら3分で
海におりられる
ただし、辿り着く先は小さな漁港だ
そこにはいつも釣り人がいる
地元の人ももちろんだけれど、
民宿に泊まっている人たちの殆どは
ここで釣りを楽しんでいるのだ
この街の時間はゆるりと流れている
誰もがめったに急ぐことはなく
その日その日を丁寧に感じて生きている
困ったことといえば、手入れにしないと
すぐ自転車が錆びること
基本的には午前午後に3便ずつ出ている
バスに乗ってしまえば、30分ほどで
大きなお店や病院に着く
近くの宿で車を借りることもできるけれど
バスの高い座席から見える青い海を
ぼんやりと見たくて
大抵はバスを使う
とはいえ、もうすぐ冬がくる
風が強くなり
少し寂しくなった海の色を
朝の光に感じはじめていた
写真 大塚陽介さま
住んでみたい場所ってどんなだろう?
と頭の中を書いてみました。
こんなところに住んでる人もいるんだろうなぁ。
思い当たる町がある方、ぜひ教えてください🎵