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風の街

その曲をはじめて聴いたのは
いつだったか

"くもり硝子の向こうは風の街
  問わず語りの心が切ないね"

耳に残るリズムと声

この曲を聴く度に
あまり馴染みのない
坂の街を思い出す

冷たい風が
枯れ葉を飛ばしながら
通り抜ける道

知らない喫茶店
曇天の光がさす席

これは何の記憶なんだろう?
現実にないはずのシーンが
昔から私の中にある



写真 燿さま