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遠いあの日々

高原へと登る道の途中、
標高400mほどの村に
あなたの家があった

昼夜の寒暖差が大きくて
霧の日は白い壁が立ちはだかる

そびえる山々から
吹き抜ける風が
肺を潤していく

あなたが生まれ育った場所は
あなたによく似ていた

どこまでも広く
爽やかで穏やかで
ときに激しく
ときに厳しく

空が広いこの場所にくると
あなたのことを思い出す

もう遠くなってしまった
あの日々のこと

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写真 Akira @AFPさま