ポップコーンがいつものお伴〜 お菓子の物語18
父に連れられて映画館に入る
外からの音が遮られた空間に
香ばしいポップコーンの匂いが漂っている
暗い室内でスポットライトを浴びる
フードコーナーに向かい、
大きなポップコーンとメロンソーダを買う
観る映画によって、
キャラメルか塩味かを決める
キャラメルが絡まった
食感と甘さが捨てがたいが、
今日は塩味
ここに来た時の
決まりごとのように
私にとっては自然な流れ
ホールの中に入ると
それぞれがポップコーンやドリンクを持って
まだかまだかと、
スクリーンに映し出される
物語を待っている
映画がはじまると
少しずつ、
ポップコーンを掴む音が聞こえてくる
映像の光に点滅するように
白いポップコーンの影が揺れる
私もひとくち
まだ少しあたたかいシャクっとしたような食感
リズムよく噛むと
塩味とバターの香りがふっとぬけていく
その音を聞いたのが合図のように
隣に座る父の手がすっと
ポップコーンに伸びてくる
小さな頃から繰り返された
あたり前の光景
今となっては懐かしい
ともかさん、よろしくお願いします!