破壊衝動と生まれた花園
綺麗に整えられた花壇
生えてくる雑草は
その都度抜く
そんな人生だった
どんなに綺麗に手入れしていても
花は踏み潰され
揶揄され
挙げ句の果てに虫に食われたり
どうして
悲痛な叫びが聞こえてきた
誰からみても無難な
その花壇に愛想をつかしてしまっていた
一体いつから、
自分でなく誰かのために
この花壇を手入れしていたのだろう
自分も含めた全てが嫌になった
だから私は
あの花壇を放置することにした
伸びるままに伸びろ
人目など気にするな
生き残るものが生き残れ
そうやって
さらに誰とも分からぬ人にも
踏み荒らされるようになった
どうでも良かった
その内に
土には栄養が蓄えられ
残る花は残り
自由の花園が育っていく
その内に竹に覆われることも
あるかもしれない
それでも
あの綺麗に手入れされた花壇より
この鬱蒼とした花園が好きになった
覆われた草の中で
密かに隠れて咲く花にも
美しさがあることを知った