隣りあわせ
わたしの紡ぐ言葉は
いつも死と隣りあっている。
いつかも思い出せない昔に、
『死こそ常態』
という言葉に出会った。
死が常態としたならば、
生きていることは?
その時はじめて、
宇宙の空間の中で「この私」が
生きていることは「常」ではないことに
はっとした。
あれから、大切な人を亡くす度、
その言葉をかみしめてきた。
彼らは「常態」に戻ったのだ。
彼らの命は奇跡だった。
同じ時代に生まれ、出会えたことも
大切に思えたことも全て。
死と向き合うことは、
命と向き合うこと。
死はわたしに恐れを与えるが、
同時に生きる光を与え続けている。