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【後期流産(死産)③】東京から母が駆けつけて来てくれた日

前回の続きです。
前回の内容はこちら↓

赤ちゃんが亡くなったとわかった翌日、母が東京から私の住む愛知に来てくれた日のことを書いていきたいと思います。
私にとっては忘れられない日になりました。
 
入院や処置についてのお話は次回④から記載していきます。
 
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8月18日(日)14w5d
午前8時過ぎ、旦那に起こされた。
「お母さんから俺にもLINEが来てる。返信がなくて心配してるって。」
自分のスマホを見ると、昨晩私が眠った1時間後くらいから、深夜、明け方にかけて何度か母からの返信と着信が来ていた。母からは、すぐに連絡に気づけなかったお詫びや、私を心配する言葉がたくさん並んでいて、その返信を見ただけで涙が込み上げてきた。

「自分を責めないでね。痛くないかな。大丈夫だよ。」
優しくて温かい言葉が並んでいた。
 
すぐに母に電話をした。
しばらく出なかったので切ったら、すぐに折り返しがきた。
「辛いね。昨日すぐ気づけなくてごめんね。今からそっち行こうと思ってるんだけど、行ってもいいかな。もう準備はできてるの。」
私は愛知に住んでいて、母の住む実家は東京。
母も眠れていないだろうから悪いなと思いつつ、会って話したい、話を聞いてほしい気持ちがあってお言葉に甘えて来てもらうことにした。

今振り返ると、この時すぐに母が来てくれたということが、今回の悲しい出来事に向き合っていくにあたり、かなり回復の助けになったと思う。
 
「お母さん、来てくれるって」旦那に向かって安心した顔でそう伝えた。
 
母が来るとなってから、私と旦那はテキパキと片づけや掃除を始めた。
母のために綺麗にしなきゃと気を遣う必要は全然なかったけれど、来てくれるのが嬉しかったし、それまでつわりも仕事もあってあまり掃除もできていなかったので、気持ちを切り替えるためにも家全体を掃除した。
家中を換気して、シーツもコインランドリーで洗濯し、たまっていたゴミをまとめ、洗面台やトイレなどの水回りを掃除し、床掃除もした。
 
もし母が来なかったら掃除もしなかっただろうし、入院準備も終わっていてやることもなく、前日と同じように2人で悲しみに暮れてずっと泣いていたと思う。母が到着するまでの3、4時間の間、手分けして掃除や片づけをしていると、不思議と気が紛れた。
 
すっかり家がきれいになって、心が少しすっきりした。やることがなくなると、また少し悲しみが込み上げてきた。
 
最寄り駅まで来てくれた母を、車で旦那と迎えに行った。会えた時、来てくれてありがとうと涙が出た。母も「辛かったね」と泣いていた。でもお互い顔が見れて安心感があり思わず笑顔になった。車の中で簡単に状況を話した。
 
家についてから、3人で母が買ってきてくれたお弁当を食べたり、いろんな話をした。
死産の話もそれ以外の話もして、普段通り笑ったり、赤ちゃんに会えない苦しさや悲しみで涙を流したり、そのまま夕方まで過ごした。
「泊まっていこうかな」と母が言い、翌日の仕事を調整してうちに泊まってくれることになった。すごく嬉しかった。
3人でスーパーに買い出しに行って、夕飯を作って食べ、順番にお風呂に入ったりして過ごした。
 
母は、私と旦那が2人で支えあって生活をしているところや、今回の悲しい出来事についてたくさん話し合いながら過ごしている姿をみて、少し安心してくれていた。
 
家に来てくれたのは母だけだったけれど、父も私のことを心配してくれていて、産後休暇や火葬のことなど調べて情報を教えてくれたり助けてくれた。
前日までは頭が回っていなかったが、妊娠期間が12週を超えていた場合、死産の場合でも産後休暇の対象になるということが分かった。取得させることは義務ではあるものの、本当に休暇を取って良いのかピンと来ておらず、無事出産が終わったら上司に確認してみることにした。
 
赤ちゃんのいない産後休暇なんて聞いたことがなかったので、いろいろなことを考えた。

「8週間も休みなんて、何をしたらいいんだろう。母体はどのくらいで回復するのかな。
気持ちが元気になっていたら旅行に行ったりしてもいいのかな。
長く感じるけど、実際は心身の回復にもっと時間がかかるものなのかな

 
社会人になってから8週間も休むことは無かったため、突然訪れる長期休みをどのように過ごそうか戸惑ったものの、まずは母体が無事に回復することが1番だと考え、翌日からの入院に備えて眠りについた。

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母が駆けつけて来てくれた日のことを書きました。
状況や気持ちを繰り返し話すことで頭や心が少し整理できた日でした。

本当に辛い出来事でしたが、母の優しさや強さも改めて感じることができ、
もしまた子供を授かることができたら、私も母と同じようにいくつになっても我が子を大切にしようと思っています。
 
次は、入院や処置のことを書いていきたいと思います。


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