徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち
徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち
この世に実在しない、神話や伝説に登場する生き物を、紹介した本です。
図鑑形式で、たくさんの幻獣の絵が載っています。しかも、全部、カラーです。『徹底図解』の名に恥じません。
ヨーロッパと西アジアの幻獣が、多く載ります。日本や中国などの、東アジアの幻獣は、少ないです。
類書は、多いですね。その中でも、良いほうだと思います(^^) 幻獣初級者から、中級者へステップアップしたい時に、読むと良いです。
それは、以下の理由によります。
1)取り上げている幻獣が、マイナーなものが多い。
ケンタウロスやユニコーンなど、有名な幻獣も、載っています。しかし、幻獣について知り始めたら、無名な幻獣も、知りたいと思いますよね?
本書には、日本ではマイナーな、東ヨーロッパ系の幻獣が、多く収録されています。これは、本書の大きな利点です(^^)
そのかわり、東アジア系の幻獣は、ばっさり切り落とされています。例えば、有名な四神、青龍・朱雀・白虎・玄武さえも、載っていません。
東アジア系の幻獣について知りたければ、本書以外の資料を探しましょう。
2)解説が、系統だっている。
幻獣事典というと、幻獣の名前を並べて、そこに少し解説文が付いている、というスタイルが多いですね。
本書も、そうです。とはいえ、それだけではありません。
それぞれの章の初めに、解説があります。そこでは、人里に現われる幻獣は、なぜ人里に現われるのか、似た幻獣同士は、どういう関係にあるのかなどが、解説されています。
おかげで、幻獣のあり方や、幻獣同士の関係などについて、有機的に把握することができます(^^)
そうなったら、幻獣初級者から、幻獣中級者へ、ステップアップですね。
初心者が、いきなり、幻獣について、詳しい情報を仕入れようとしても、頭がパンクしてしまうでしょう(笑)
有名どころの幻獣について、基本的なことを知った上でなら、上記の1)2)のような情報も、頭に入ると思います。
なお、これは、どんな幻獣の資料にもいえることですが、幻獣については、呼び名や性質に、異説が多いです。一つの資料にあることだけを、鵜呑みにはできません。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
まえがき
幻獣列伝
ケンタウロス
ファーザー・フロスト
ジェボーダンのベート
人狼
ユニコーン
ルサールカ
など
第一章 大地、草原、そして農地
◆牧神が支配する草原
パン
サテュロス
イポタネス
シレーニ/シレーノス
など
第二章 森林へ
◆森にすまう者
ホーンド・キング
ヒーシ
緑の男
レーシィ/レソヴィハ
など
第三章 道、そして人里へ
◆犠牲者を、時に愛する者を求めて人里へ
ジェボーダンのベート
クールトー、ファラミーヌ
マリ・ヴェリテのベート
ボギーマン
など
第四章 廃墟、墓地、呪われた者
◆「人」が「魔物」になるとき
人狼/ワー・ウルフ
オーボロチェニ、ヴコドラク
ル・ガルー、跛行狼
チューマ、クーガ
など
第五章 荒野を越えて
◆旅人ならば、一度は必ずそれに出会う
ユニコーン
バシリスク
コカトリス
アンフィスバエーナ、アムフィシーン
など
第六章 水辺にて
◆水辺に潜む者たち
ニクシー
ラミナ、メリュジーヌ
ルサールカ
ヴォディアノイ
など
第七章 空
◆大空と天空にすまう者
フェニックス
ベンヌ
鳳凰、火の鳥
ジズ
など
第八章 海
◆海の恐怖
マーメイド/マーマン
ハヴマンド
セイレーン
ヒッポカンパス
など
さくいん