ファラオのエジプト
古代エジプト王朝のファラオたちを、年代順に紹介した本です。古代エジプト王の列伝です。
エジプト学の基礎となる知識を、与えてくれます(^^)
主なファラオは、すべて紹介されていますからね。必然的に、その王の治世に何が起こったか(王が何を起こしたか)が、紹介されています。古代エジプトの簡易な年代記となっています。
一人一人のファラオの記述は、それほど長くありません。何百人ものファラオを、一挙に紹介していますから、これは、仕方のないところでしょう。
そのぶん、すらすらと読みやすいです。初心者には、これくらいで、ちょうどいいと思います。大まかなエジプト史の流れを、つかみやすいでしょう。
もっと詳しく知りたければ、もっと詳しく書いたものを読めばよいことです。
本書は、古代エジプト初心者が、とりあえず、大ざっぱに古代エジプト史を知りたい場合に、便利です(^^)
ファラオの記述の長短には、むらがあります。有力で、治世が長かったファラオの記述は長く、そうでなかったファラオの記述は、短いです。
これも、何千年にもわたる古代エジプトを語る上では、仕方のないことでしょう。目次に登場せず、一行か二行、触れられるだけのファラオもいます。
古代エジプト入門書として、本書は、良いものだと思います。
本書を読んでから、他の古代エジプト解説書を読めば、わかりやすいでしょう。
ただし、注意すべきことがあります。古代エジプトの人名や地名は、発音が確定されていないことです。
このため、本書に載っている人名や地名も、確定したものではありません。他書では、同一人物や同一地が、違う発音で紹介されていることも、十分にあり得ます。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
初期王朝時代
メネス――最初のファラオ
第一・第二王朝の王たち――王墓とサッカーラ
古王国時代
ジェセル――ピラミッドの出現
スネフェル――真正ピラミッドへの試み
クフ、カフラー、メンカウラー――ギザの三大ピラミッド
第五王朝初期の王たち――太陽神信仰の興隆
ウニス、テティ、ペピ一世――ピラミッドテキストに見る来世観
ペピ二世、ニトクリス――古王国の衰退
第一中間期
ヘラクレオポリス朝の王たち――州侯から王へ
中王国時代
メンチュヘテプ二世――王国の再統一
アメンエムハト一世――救世主アメニの実像
センウセレト一世――シヌヘの物語の王
センウセレト三世――王権の確立
セベクネフェル――中央集権体制の崩壊
第二中間期
ヒクソスの王たち――異民族による最初の支配
セケンエンラー、カメス――独立戦争の開始
イアフメス――ヒクソスの放逐【ほうちく】
新王国時代
アメンヘテプ一世、トトメス一世――新形式の王墓、王家の谷
ハトシェプスト女王――女王誕生
トトメス三世――エジプトのナポレオン
アメンヘテプ二世――戦士としての王
アメンヘテプ三世――専制君主の出現
アクエンアテン(アメンヘテプ四世)――世界最初の宗教改革
トゥトアンクアメン――少年王の現実
ホルエムヘブ――宗教改革からの回帰
セティ一世――ラメセス朝の開始
ラメセス二世――カデシュの戦い
メルエンプタハ――海の民の侵入
ラメセス三世――最後の大王
ラメセス四世とその後継者たち――墓泥棒の横行
ヘリホルとスメンデス――ウェンアメンの受難
末期王国時代
タニスの王たち――二つ目の黄金のマスク
ヌビアの王たち――南から来た支配者
第二十六王朝の王たち――ヘロドトスの伝えるエジプト史
最後の王たち――ペルシアからの独立、ギリシア・ローマの支配
索引