卵といっても塩卵。
塩卵が好き。なんて突然告白されても、昨日の朝ドラみたいに「で?」となりそうだけど、塩卵って、知ってみると、これがけっこうハマるのだ。
塩卵とは、アヒルの卵を塩漬けにしたもの。味は、ゆで卵気分で白身をバクっといくと、ヒーッ!となるぐらいしょっぱい。なので、ちびちび食べる。黄身は濃厚で、とろっと半熟タイプもある。
半年ぐらいゆうに常温で保存ができるので、わが家の常備食。中国食材店などで購入でき、たいてい1個ずつぴちっと包装されているので衛生面も安心だ。
ちなみに、料理上手の友人のなかには自家製塩卵派の人もいる。この場合はアヒルではなく鶏卵を利用。たとえばマレーシア人のジジさんは、漬け込む塩水にクローブなどのスパイスを加えて、エキゾチックな香りただようアジアンな塩卵に。とっても美味だった。
そんな塩卵好きのわたしがよく作る料理が、ブロッコリーの塩卵炒め。
材料
ブロッコリー 1個
塩卵 1個 粗みじん切り
作り方
フライパンに油をひき、ブロッコリーをこんがり焼いたら、塩卵をからめておしまい
塩卵を食材と調味料の二役で活用した簡単レシピ。卵のまろやかさと塩味がブロッコリーにぴったりで、お酒にもご飯にも合う。なお、市販の塩卵はいくつか種類があり、いろいろ試してみたところ、台湾産がしょっぱすぎず使いやすいと思う。
さて、わたしが塩卵のおいしさに目覚めたのは、マレーシア暮らしのなかで。というのもマレーシアでは、さまざまな食事の場面に塩卵が登場する。マレーシア人の味覚や嗜好性を考えたとき、塩卵という味はかなりキーになる存在では? とさえ思っている。
いちばんよく食べたのは、お粥の店。とろとろに煮込まれたお粥に塩卵を合わせるのは定番だ。塩卵とお粥はともに中国がルーツで、相性ももちろん抜群。
多種のおかずが店頭に並ぶタイプの店でもよく食べた。これは、じぶんが食べたいおかずをひとつの皿にのせ、それらを好きに混ぜて食べる、いうなればセルフ式のワンプレート飯の店。並んでいるおかずのひとつに、塩卵があるのだ。
もちろん、店によっては塩卵がないところもあるし、選ばない客もいる。でも、多民族国家マレーシアでは、民族の好みがおかずの種類に反映されていて、マレー系、中国系、インド系と大きく3つのジャンルにわかれているのだが、この塩卵は、中国系の店だけでなく、マレー系やインド系の食堂にもちゃんと用意されているのだ。
たとえば「ナシチャンプル」とよぶマレー系の食堂で食べたこちら。
マレー半島東海岸地区の伝統料理である、ハーブや野菜を混ぜた青いご飯に、塩卵を合わせてみた。うーまーしー!
そしてこちらはインド系の「ナシカンダー」で食べたカレーと塩卵。
スパイスの香り立つカレーに塩卵がとっても合う! 何を隠そう、わたしが塩卵に開眼したのは、この組み合わせである。
あ、余談ですが、これらの塩卵はぜんぶ殻付きで提供されいてるので、食べるときはご注意を。中身をスプーンでほじほじして食べる。
そしてですね、塩卵といえば、ここ数年、マレーシアやシンガポールで大ヒットしているのが、黄身をつかった濃厚エッグヨークソース salted egg yolk sauce。アジア好きの方なら、そう!そう!うなづいていらっしゃるに違いない。蟹ソース、クロワッサンのクリーム、ポテチのフレーバー、KFCのチキンの味つけ、おにぎりの具、インスタント麺のソース……など、これでもか、というぐらいわんさか商品化されていて、これがまた一度食べるとやみつきに。この話しはまた次回ゆっくりご紹介します。
もしかしたら、パクチーブームの次に、塩卵ブームがくるかもよ。
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きっと、塩卵の塩気は南国の人にとって必須の塩分補給にも役に立つのだろう。常温で腐敗しにくいところも使いやすいしね。塩卵、いいね。