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念願のペナンのハミディヤ。踊りだしたくなるカレー

マレーシアのペナン島。ここにはナシカンダーの人気店が多くある。

ディーンDeen、ラインクリアLine Clear、カユKayu、プリタPelita……ほかにもたくさん。2時間待ちの行列店、路地裏の隠れ家、深夜でも人が集まるコミュニティーセンター的存在など、おいしさに加えて、それぞれに個性があり、今回訪れたハミディヤHameediyahの押しポイントはずばり、その歴史だ。

ジョージタウンのキャンベル通りにある2階建てのショップハウス。レモン色の外壁がビビッドでかわいい

入り口に堂々と表示されているように、創業は1907年。つまりナシカンダーというスタイルが確立した20世紀初めからある老舗で、ペナンの食文化を紹介している書籍『Penang Heritage Food』(Ong Jin Teong著)にも名前が登場するほど。

この柱に注目!

ちなみに「壁や柱に店名が彫ってあるのが古い証拠だよ。むかしは看板がなかったので、店名を直接彫っていたからね」と、ペナン人であり、食通の友人のリムさん。たしかにジョージタウンに建ち並ぶ店を眺めると、店名の表示スタイルはさまざまで、彫刻を施した柱や看板にも彫刻タイプと印字タイプの2種がある。なるほど、店の外観にも歴史が現れているんだなぁ。

さぁ、入店! 入ってすぐ、職人が鉄板でじゅうじゅうムルタバを焼いていた。

小麦粉の生地でカレー味の具を包み焼きにしたムルタバ。ハミディヤの具は卵多めのようだった

これ、マレーシアの食堂あるあるで、調理風景を見せることでお客さんの食欲をかきたて、注文してもらおう、という店側のアイデア。もちろんまんまとのせられ、ムルタバを食べることに決定。

奥の左側。ここがナシカンダーのお決まりの料理の陳列コーナーだ。ん? ん? 思わず二度見。なぜなら具のサイズ感が想像と違うのだ。クアラルンプールのナシカンダー店の料理に比べると、カレーの具も並んでいるおかずも、およそ2倍ぐらいのサイズ。つまり、どれもでかい!

ひとりでは抱えきれない大きさのボウルのなかにカレーやおかずが盛られている。「何食べたい? どれもおいしいよ」と店のおじさん

この日は朝10時に入店。つまり朝カレーである。悩んで、ようやく決めたのは、おかず3種のこちら。

ご飯の上に、キャベツ炒め、具だくさん卵焼き、鶏唐揚げを盛ってもらった。これにクア(具無しのカレー)を2種

およそ3年ぶりに食べたペナンのナシカンダー。そして念願のハミディヤ。いやもう。あまりの美味に鼻の穴がふくらんだ。とくにカレー(クア)の香りがすごい。踊りだしたくなるような香ばしさと芳醇さがある。

そして、鶏唐揚げ(上の写真の皿左奥)が絶品だった。あめ色の炒めた玉ねぎが鶏肉全体を覆っていて、むっちりした鶏の肉質に、とろっとした食感の甘い玉ねぎが、びっくりするほどベストマッチ。メニュー名はAyam Bawang Biasaで、直訳すると、いつもの玉ねぎ鶏。このネーミングもいい。

店頭で焼いていたムルタバ。写真を撮って時間が経ってしまったので皮がしんなり。これはこれでおいしいけど、運ばれてすぐ、皮パリッのときに食べるほうがおすすめかも 

ムルタバは、具がぎっしりでボリューミー。卵たっぷりでリッチ感があり、さっぱりとした酢漬けの玉ねぎによく合った。ソースのカレーがまたおいしくて、濃厚なコクがあるのに、スキップしちゃいそうなスパイスの軽やかな香り。これは朝10時でも、するする食べられる。


ちなみにハミディアは、30メートルほどの間隔で2店舗ある。本店と2号店かと思っていたけど、そうではなくて、料理を注文する場所と食べる場所がそれぞれ別になっている。なので、向かって左側の店で料理を注文し、皿に料理を盛ってもらったら、その皿を受け取って店を出て公道を30メートルほど歩き、右側の食べる専用の店へ移動する。これは、厨房のスタイルを変えずに、客席だけを増やす効率のよい店舗拡大のようだ。

最後に、人気のナシカンダーソングをシェアしておこう。ハミディヤはこのYouTube動画の舞台になっている。

◆店舗情報
Hameediyah Restaurant
164 A, Lebuh Campbell, street, 10100 George Town, Pulau Pinang


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