東カレデートで仮氏が出来た話(前編)
ローリングデートも疲れて来た2018年の3月、精神科医の5歳歳上の男性とマッチした。(前述の山頭火さんとは別人)
私は32歳、精神科医は37歳だ。
毎回実感するが、私は高校生の頃から5歳歳上が好物みたいだ。
中目黒で待ち合わせをしてこじんまりしたオステリアへと向かう。
第一印象で気になってしまった事……。口臭が…気になる…。(あまり身体的な事は言ってはいけないのですが、ごめんなさい。)
空腹時やストレス時の口臭ではなく、正しい歯磨きが出来ていない中年に見られる歯周病の口臭だ。
適度な距離を置きながら、お酒に酔いながら、時間が経つと不思議と慣れて行く。
話もそこそこに盛り上がり、いつもの流れであればこの後2軒目にでも行く?と言った流れになるのだが、この日は違った。
お店を出て、精神科医が言った。
精「おとうふちゃん、僕と付き合って!」
私は驚いてしまい何も言えなかった。
お「まだ数時間しかお話してないのに、何で?」
精「顔がタイプだから!あと声も!」
お「……(外見のみか。複雑な心境だ。)」
精「今しかないと思うんだよね!次はないよ!」
お「いや、何回かデート重ねてお互い中身を知ったらにしない?」
精「じゃあさ、仮で良いから付き合ってよ!お願い!見て、これ僕が子供の頃の写真。僕とおとうふちゃんの子供、可愛いと思うんだよね〜」
お「(ぞっ……)」
ここで私に与えられた選択肢は二つ。
子作りを匂わす歯周病男を回避する為にお断りして21時前ではあるが帰宅をする。
若しくは仮で付き合う事を承諾し、抱かれる事を覚悟して2軒目へ向かう。
冷静に考えたら圧倒的前者なのだが、当時の私はまともな判断が出来る恋愛感覚を持ち合わせておらず、「なんとかデートアプリで彼氏を作りたい!」と鼻息荒目に熱り立っていた。
お「じゃぁ…仮でね。」
精「やったぁ〜!じゃあ記念日にうちにちょっと良いシャンパンあるから一緒に開けよう!」
お「(あれ?家…?ま、まぁいっか!やけくそだ)」
と、やや騙されたと言うか、騙されに行った形で精神科医の白金台にあるマンションへと向かう21時。
嫌な予感しかしない。