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スクールカーストは大人になっても続く②
①の続き。
中学生のおとうふ
私は両親が希望したから中学受験をした。
行きたい学校はなかったが、自分の偏差値よりもレベルの高い学校から繰り上げ合格の連絡が来て、母は凄く喜んでいた。
12歳ながらに、この学校に通う事が親孝行なのだと察した。
新しい学校生活がスタートして分かった事がある。
私の通った中学・高校は父兄の間では「いじめ」のない学校で有名だった。
私に友人がいなかったからなのか、低学年の頃に熱が出て不登校になったからなのか、4年生の時に「いじめ」を受けていたからなのか、はっきりとした理由は分からなかったが、母親は私の「いじめ」もどきを嗅ぎ付けこの学校に通って欲しいと切に願っていた。
この学校には小学校時代に「いじめ」を受けて来た生徒が多かった。
同じ小学校からも2名程一緒に進学をした同級生がいたが、母親から聞いた話によると彼らは不登校であまり学校に来ていなかった様だ。
違うクラスだったとは言え、塾での勉強にしか興味を持たず、学校での身の回りの実態を把握出来ていなかった自分を少し恥じた。
学校のモットーとしては以下の様なものだった。
・「いじめ」は絶対に許してはいけない。
・「いじめ」をする人だけでなく、知っているのに黙っているのは参加しているのと同じ事である。
・あだ名を付ける事は「いじめ」に繋がるのでしてはいけない。必ず「君」「さん」付けをする事。名前に「君」「さん」を付けて正しい日本語を使うと、その後に悪口を言えなくなるのが人間の心理である。
・孔子の「論語」をベースに道徳心を学ぶ。「同ずる友ではなく、和する友を作れ。」「同ずる友とは一緒に悪い事をしたり悪口を言う友人。和する友とは自分の悪い行いを指摘し正しい道へ導いてくれる友人である。」
・「和する友と切磋琢磨し勉学に励み、東大を目指せ。」(急にドラゴン桜)
いわゆる、いいこちゃんの考えではあるのだが、思春期に毎週この様な話を聞かされていると思想は定着するもので、私は大人になった現在も人を呼び捨てにする事に抵抗があり、誰であろうと他人の悪口を聞くと嫌悪の気持ちでいっぱいとなる。
現代のあだなを禁止する風潮には賛否両論あるが、個人的には誰かを呼ぶ時に呼び捨てではなく「〜さん」「〜ちゃん」と呼んだ方がそこに敬意や親しみが自然と生まれると感じている。
彼氏や友達に「どう呼ばれたい?」と聞かれたら、真っ先に「おとちゃん」とリクエストするのはその影響なのだろう。
学校のモットーや思想は良いポイントをついてはいるのだが、暫くすると不思議なスクールカーストが出来上がった。
勉強が出来ておとなしい生徒が上位に位置し、流行りに敏感な派手なタイプの生徒が下位に追いやられるのだ。
そんな不思議な学校特有の、おかしなスクールカーストが出来上がった。
では、私はどこに属したのだろうか。
集団行動が苦手な為、部活の様な集合体には属さなかった。
また、仲良しグループというものも苦手であった。この学校にいる学生達とはタイプが違った。
更に、皆んな頭が良く繰り上がり合格の私は勉強に付いて行くのが精一杯だった。
小学校に引き続き、スクールカーストの中で自ら圏外を選びどこにも属さない事を選べるのは不思議ではあったが、実際にそれが出来たのだ。
おとうふの卒業論文
余談となるが、普通は中学の卒業アルバムと言えば「将来の夢」「楽しかった思い出」を書くものである。
しかし私の学校は何かテーマを決めてそれに対する意見を述べる「大学の卒業論文風」なものを書かされた。
そして何を血迷ったのか、私は「こどもの自殺」をテーマに書いた。
それをきっかけに、卒業後の高校生活では同級生からも先生からも少し風変わりな生徒として位置付けられる事となった。
高校生のおとうふ
少し話が脱線したが、上記の様に私の中学校でのスクールカーストは独特なものであった。
しかし、高校生にもなると同級生達は学校の思想にも反抗し、流行のものに敏感になる。
部活に入ったり、バンド活動を始める生徒も増え、着々と典型的なスクールカーストが出来上がった。
ひとつ前の記事でも触れたが、一説によると、スクールカーストは小学校では個人のキャラクターや性格でスクールカーストが形成され、中学校・高校ではグループごとの強さで形成されるそうだ。
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その説はあながち間違っておらず、様々な共通認識をもとにグループが出来上がる。
そしてそのグループの強さがスクールカーストを形成し、以下のピラミッド型の力関係が出来上がる。
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私の学校では「バスケ部(男女)」「バレーボール部(男女)」「テニス部(女子)」「サッカー部(男子)」「吹奏楽部」「バンドグループ(ラルクや洋楽のカバーが人気)」などのグループが順に力のあるグループであった。
下位には部活に属さない「ガリ勉グループ」が属していたが、私は頭が良い訳でもなく勉強が好きでもなかった為にそこに属す訳でもなかった。
敢えて言うのであれば、学校を終えたら掃除をしてすぐに帰宅する「帰宅部」であった。
そして「こっそりバイトをして大学生の彼氏がいる」という立場が密かに知れ渡り、高校では「もはや同級生ではない」空気をまといスクールカースト圏外に位置する事となった。
中高6年間、私は男子生徒と必要以上に会話をした事がなかった。
学年でモテる子ランキングなるものを耳にした事があるが、上位10位は運動部や吹奏楽部の活発な女の子達だった。
俗に言う1軍や2軍に属する子達である。
スクールカースト圏外にいる私はランクインするはずもなかった。
つづく。