十一月は、扉がひらく
高楼方子『十一月の扉』
晩秋が好きだなあと感じるのは、この本の影響が大きいと思う。
現在は青い鳥文庫からも刊行されています。秋の終わりに、ぜひどうぞ。
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木立に囲まれた赤茶色の屋根の家、十一月荘。
ナナカマドの朱に囲まれて、十一月のはじめにその家と出会い強く心を惹かれた爽子は、二学期が終わるまでの間、十一月荘に下宿することになる。
そこで爽子は、物語を綴りはじめることに……。
十一月荘をとりまく人々と、少しの間離れる家族。
日々の全ての出来事に、爽子の心は繊細に揺れ動く。
二ヶ月の暮らしの中で、爽子がたしかに得たものとは――。
十五歳の少女の心を、あざやかに描ききった名作。
だいじょうぶ。きっときっと、未来もすてきだ。