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もみじ狩り🍁【ヴァンパイアバディー】

もみじ狩り🍁【ヴァンパイアバディー】
こちらはフリー台本となってます。
演じたい人は演じてください。
作品の流れを変えない程度のアレンジはOKです。
演じる際、作者に報告は必須ではありませんが、報告を受けたら、アーカイブ聞きに行きます。

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【もみじ】17才の可愛らしい女子高生。紅葉狩りに来ていた。

【ヴァンパイア】着物姿の女性ヴァンパイア。古めかしい口調をしてる。何に対してもゆるりと構えてる。

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【ヴァンパイア】
「秋冷(あきびえ)の渓谷…、枯葉舞い散る音しずか…。
見上げた先は、一面の赤いもみじに覆われし空。
…おや?枯葉を踏みしめる足音…?誰か来る」

【もみじ】
「うわあ!?着物のお姉さん?
こんな所で倒れてどうしたんですか?
…具合悪いんですか?」

【ヴァンパイア】
「おやおや…可愛らしい女の子(めのこ)。
少し妾(わらわ)は貧血でな…。
血が足りぬ故、少々ここで休んでいたところだ」

【もみじ】
「貧血?だからって、こんな所で休むなんて💦
とりあえず!お水!お水飲みますか?」

【ヴァンパイア】
「うむ」

【もみじ】
「体起こして。この水を飲ん……(一瞬止まる)」

【ヴァンパイア】
「…ん?どうかしたか?」

【もみじ】
「あ…、いや、今まで見たことないくらい、美形だなぁと…」

【ヴァンパイア】
「フフッ…やはり可愛らしい女の子(めのこ)だ。そなたも充分美しいぞ」

【もみじ】
「やだ。そんな…」

【ヴァンパイア】
「そのように顔を赤らめて、更に可愛らしい…。
…ほしいな」

【もみじ】
「え?」

(枯葉の音とともに、ヴァンパイアはもみじを枯葉の絨毯に押し倒す)

【もみじ】
「え?え?あの…」

【ヴァンパイア】
「そなた、名は?」

【もみじ】
「…もみじです。あなたは…?」

【ヴァンパイア】
「もみじ…か、可愛らしい。
妾の名は言えぬ。名は我が一族にとって、命の次に大事だからな」

【もみじ】
「一族…?」

【ヴァンパイア】
「人間の生命力。命の源の生き血…。
それを啜って生きる、不老長寿の一族だ」

【もみじ】
「それってヴァンパイ…(言い淀む)」

【ヴァンパイア 】
「ヴァンパイア…そう、その呼び名で当たってる。
もみじ、…妾が怖いか?」

【もみじ】
「…ううん。怖いよりも美しい。
物語の中で語られる『残忍なヴァンパイア』とは、とても思えないくらい。
優しくて綺麗…」

【ヴァンパイア】
「人間が『ヴァンパイアは残忍』と表現する時は、いつも自分たちのことを棚上げにしてるものだ。
人間だとて、家畜の死肉を喰らう…。
そうしないと身体を維持できないであろう?
それと比べれば、妾たちヴァンパイアは、殺さずとも生き血を啜るだけで、身体を維持出来る…。
どちらが残忍か、比べるのは無意味というもの…」

【もみじ】
「そう…かもしれません…」

【ヴァンパイア】
「もみじ…そなたの血を吸わせてくれ」

【もみじ】
「え…?でも、私!ヴァンパイアにはなりたくないです!人間でいたいです!!」

【ヴァンパイア】
「大丈夫だ。もみじが望むなら、決してヴァンパイアにはしない。
体調に害がない程度の、生き血をもらうだけだ…」

【もみじ】
「でも、なんか…、死なないってわかってても、ヴァンパイアにならないってわかってても、緊張します!
なんか、初めてキスするくらいの緊張です!」

【ヴァンパイア】
「ふふっ、本当可愛らしい。
緊張したり、怖いというなら、これは全てひとときの夢を見てると思えばいい…。
こんな綺麗な紅葉(こうよう)の景色の中だ…幻の世界に迷い込んだ女の子(めのこ)よ…。
共に、束の間の夢を見ようじゃないか…」

【もみじ】
「……はい…(まるで催眠にかけられたように受け入れる)」

【ヴァンパイア】
「ふふふ…ではいただくぞ。…くあ…っ(ガブリ)」

【もみじ】(モノローグ)
…ふと、気がつくと、私は紅葉(こうよう)の絨毯に寝ていた…。
見上げた先は、一面の赤いもみじに覆われた空。
私は赤い…赤い夢を見ていたようだ。
けれど、私の首には…傷痕がちゃんと、残っていた…。

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