それは思い出も“煮詰めた”味。良原アナを癒すたっぷりの「あんこ」/良原安美【アナウンサーの推し事】
好きなものや、それを愛で、応援する気持ちを表すことばとしてすっかり定着した“推し”。慌ただしい日々を送るアナウンサーにも、きっと毎日の糧になったり、癒しになるような“推し”があるはず。愛してやまないものを、自由に語ってもらう連載企画『アナウンサーの推し事』。初回は、気づけば幼い頃から「あんこ」の沼にハマっていた……という良原安美アナウンサーに話を聞きました。
「あんこ」に一筋
—— 近ごろ「マリトッツォ」や「生搾りモンブラン」が甘党の間ではブームになっていますが、良原さんご興味はありますか?
良原さん:もちろんもちろん(笑)。甘いもの全般が大好きなので、先日担当している『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)でマリトッツォをいただいてすごくおいしかったですよ。結構ボリュームがあって飽きるかなと思ったんですけど、最後まで楽しめましたね。だけどやっぱり……。
—— 心に決まったものが。
良原さん:「あんこ」ですね(笑)。これだけは特別で。わたし、性格上あまり流行りものにすぐに飛びつくタイプでもなくて。基本的に自分の好きなものがしっかりと決まってるんですよね。
—— ではもう、「あんこ一筋」と言っても?
良原さん:いいと思います。とにかく本当に大好きなんです。
——「あんこ歴」と呼ぶのも不思議ですが、いったいおいくつぐらいから、それほどあんこに魅了されるようになったのでしょうか?
良原さん:それが小学生ぐらいの頃にはもう夢中でしたね。初めてのメールアドレスを作るときにも、ローマ字で「anmitsu(あんみつ)にしたい」って話していた記憶があるんですよ(笑)。
——はははは(笑)。覚えやすくていいですね。小さいお子さんだと、和菓子よりも洋菓子に飛びついてしまうイメージがありますけれど、その頃からすでにお好きだったんですね。
良原さん:そうですよね。ですから、物心ついた頃にはもう夢中だったんだと思うんです。
思い出すのは、おばあちゃんが住む静岡
——それはたとえば、お母さまやお婆さまの影響だったりするんですか?
良原さん:よく覚えているのが、祖母の家に行ったときに、よく連れて行ってもらった甘味処のことです。そのお店のあんみつがとにかく好きで。
——では、そこで知った味に感激して。
良原さん:本当に小さい頃なので“感激”をしていたかも怪しいんですけれど、物心がついたときから「あれが食べたい」と。ずっと気に入ってましたね。
——お婆さまはどちらにお住まいなんですか?
良原さん:静岡なんです。だから特に名物とかでもなんでもないと思うんですけどね(笑)。そこから神奈川の実家の近くにあった、甘味処でもあんみつをよく食べるようになって。だから今でも、あんこを食べるとほっとするんですよね。小さい頃の思い出が蘇るのかもしれません。すごく癒された気分になるんですよ。
至福のときは「あんこ」と一緒に
——普段は、どういうときにあんこを食べられるんですか?
良原さん:食後のおやつがいちばん多いですかね。実は、茹でたあずきがぎゅっと詰まった「あんこのパック」みたいなものを常備してあって、自宅ではそれを手作りの寒天に乗せて、自家製あんみつにして食べてるんです(笑)。※上記写真
——あんみつをわざわざ手作りされてるんですね! すごい。
良原さん:そうなんですよ。特に好きな食べ方は、あんこをかなり多めにして寒天に乗せる方法。先に寒天を食べ終わって、最後に残ったあんこだけを食べる瞬間が、なんとも言えず本当に幸せで(笑)。
—— 良原さんにとって“至福のとき”なんですね。
良原さん:まさにそうですね。仕事終わりに、この時間があるだけで癒されますね。あと、あんこって甘いものの中でも脂質が少なくて、罪悪感が小さいんですよね。ちょっと自己正当化してる感じは否めないんですけど、そこも安心できるポイントかもしれません(笑)。
——ちなみに、つぶあん派・こしあん派、というのはあるんですか?
良原さん:ストックしているのはいつも“つぶあん”なんですが、わたしは一緒に食べる食材との相性で選びますね。あんみつや宇治金時は絶対に“つぶあん”ですし、あんぱんやどら焼きなら“こしあん”がいいかな。ベストな組み合わせであれば、どちらも大好きです。
いつかは自分で
——あんみつ以外にも作られるものってあるんですか?
良原さん:たとえばホットケーキ焼いたときに一緒に食べたりとか。あとは、まだやったことがないんですけど、今度バニラアイスクリームに乗せて食べたいなと思ってるんですよ。
—— それは絶対に相性抜群でおいしいですね。
良原さん:だけど本当にいちばん作りたいのは「あんこ」そのもので。
——ああ、「あんこ」自体を手作りされたいんですね。
良原さん:そうなんです。1回炊飯器で作ろうとしたことがあったんですけど、かなり時間がかかるようで、最後までできなかったんですよね。ですから、いつか自分で作ったあんこでおはぎを作るのが夢なんです。今度ゆっくりできる休日にでも試してみたいと思います。
ご褒美があるから
——暮らしの中にかなり溶け込んでいると思うんですが、良原さんにとって「あんこ」ってどういう存在なんでしょうか?
良原さん:たしかにご褒美でもあり、元気のもとでもあり懐かしくもあり……。あんこってすごいのが、どんなものとも一緒になれて、いろんな顔があるというか。
——いろんな顔ですか。
良原さん:和のスイーツにも洋のスイーツにも合うし、あんぱんのように包まれても、おはぎのように包んでもおいしいんです。もちろんあんみつや宇治金時のように添えてもいいし。和にも洋にも主役にも脇役にもなれて。
——たしかにすごく幅広く楽しめるし、それぞれ役割が違いますね!(笑)。
良原さん:だから、あんみつは毎日の食後のデザートですが、ご褒美には大好きな浅草のどら焼きだったり、頑張るときはあんぱんでチャージしたり、それに手土産にもいいですしね。どんなときにも、わたしをほっとさせてくれます。
——きっと、味はもちろんですが、小さい頃のあんみつの思い出が相まって、口に含むだけで嬉しくて懐かしいものになってるんでしょうね。
良原さん:本当にそうなんだと思います。
——あんこにいちばん合うのは、やっぱりお茶ですか?
良原さん:緑茶ですね。わたし、緑茶もすごく好きなんですよ。そう! 静岡の祖母がすごくおいしい緑茶のお茶っぱをいつも送ってきてくれるんです。
—— ああ、ここでつながりましたね!(笑)
良原さん:本当ですね!(笑)。その静岡のお茶が大好きで、濃いめでガバガバ飲んでいます。小さい頃は「この子は手に急須がついてる」なんて言われてたんですよ(笑)
——そのぐらい急須を握って離さなかったんですね(笑)。今夜ももちろん?
良原さん:はい、あんみつを食べようと思ってたんですけど、さっきどら焼きの話をしてたら、なんだかどら焼きが食べたくなってきて……(笑)。コンビニにお気に入りのどら焼きがあるので、今日はそれを買って帰っちゃおうと思います。
——本当に特別な存在なんですね。
良原さん:今日話してみて、より感じましたね。「あんこが待ってる」と思うと、どんなことでも頑張れそうです(笑)。
良原 安美(よしはら あみ)/TBSアナウンサー。担当番組は『サンデー・ジャポン』『Nスタ』。ラジオ番組では『爆笑問題の日曜サンデー』に出演中。2018年入社。
Text:中前結花 Edit:ツドイ
(こちらはTBSラジオ「オトビヨリ」にて2021年9月30日に公開した記事です)