音羽凜

音羽凜の短歌と俳句。 大学生の時、授業で短歌を一年間勉強しました。 2021年2月、約…

音羽凜

音羽凜の短歌と俳句。 大学生の時、授業で短歌を一年間勉強しました。 2021年2月、約20年ぶりに短歌を再開。 同4月下旬から俳句も始めました。 短歌や俳句を各所へ投稿した結果をまとめていきたいと思い、このnoteを開設しました。

最近の記事

『塔』2024年9月号掲載歌

「作品2」、花山多佳子選としてP.94に6首掲載していただきました✨ 今回は、GWの帰省で具合が悪かった母、その後の入院生活から生まれた短歌でした。 投函する前の週には救急病棟から一般病棟に移れていたので、少し落ち着いて出せたような記憶です☺️ ◾️作品2「花山多佳子選」より 知らぬまにわが家の庭に居を定む山椒の木の青々として 半身を傾けソファに同化する母に差し出すあたたかいお茶 あなただけ食べておいでと見送られ母の車でひとり蕎麦屋へ レアチーズケーキゆっくり崩れ

    • 『NHK短歌』掲載歌(2024年度 更新中)

      テキスト掲載された短歌をまとめていきます。 📕6月号 ■俵万智選「手紙」佳作 書きかけの手紙一枚しまい込む南天の実も知らぬ恋です 📕7月号 ◾️文芸選評 寺井龍哉選「鍵」入選 地下鉄のホームの下の暗がりを照らす誰かの自転車の鍵 📕8月号 ◾️大森静佳選「鏡」佳作 少しずつ傾いている木々として鏡に映る初心者クラス ◾️枡野浩一選「いってらっしゃい/いってきます」佳作 改札の観光客のすきまから見送る母に両手を振った 📕9月号 ◾️俵万智選「旅」佳作 顔よりも大きなピザの

      • 『塔』2024年8月号掲載歌

        今月号から「作品2」。梶原さい子選としてP.146に6首掲載していただきました✨ 今回は、短歌のお友達4人で井の頭自然文化園に行ったときのことを詠みました。 一緒に行った吉村のぞみ(おもち)さんの短歌もP.130に7首掲載されていますのでご覧ください😊 ◾️作品2「梶原さい子選」より 等身大パネルのはな子を見上げつつゾウ舎の躑躅ひらきはじめる 金網を器用に走るリスたちは巣箱をやわらかに奪い合う モルモットという名の生きた物たちがここでは生きたまま生きている 本物の

        • 『塔』2024年7月号掲載歌

          真中朋久選として「若葉集」P.199に鍵前🔑6首掲載していただきました。選歌後記もありがとうございます。 今回は、おもち(吉村のぞみ)さんと練馬区立美術館に行ったときのことを詠みました(なんと私のバースデーです🎂)。 おもちさん、いつもありがとう🫶 また、P.232に5月号の若葉集の評を小野まなびさんよりいただきました。 今回で若葉集は卒業だったので、「若葉集を終えて」も載せていただきました。 ◾️若葉集より カフェラテの細かい泡を春風が優しく撫でていくバースデー

        『塔』2024年9月号掲載歌

        マガジン

        • 『塔』掲載歌
          13本
        • 新聞歌壇掲載歌
          4本

        記事

          『塔』2024年6月号掲載歌

          栗木京子選として「若葉集」P.211に鍵前🔑6首掲載していただきました。 目次にも名前が載って嬉しいです✨ 3月にふるていさんの「みんなの吟行句会」でしながわ水族館と平和島の競艇場に行った時の様子をまとめました。 句会のことを短歌にして採ってもらえて嬉しいです(3回参加していて3回同じことをやらせてもらっています)。 句友の皆さんに心より感謝を。 また、P.244に4月号の若葉集の評を永野千尋さんよりいただきました。 今回は塔の新人賞と短歌会賞の発表号であり、歌友の皆さ

          『塔』2024年6月号掲載歌

          『塔』2024年5月号掲載歌

          花山多佳子選として若葉集P.191に5首掲載していただきました。今回はフィクション混じりつつの日常詠でした(三枝昂之さんが言うところの大西民子風☺️)。 ◾️若葉集より 議事録に占拠されてる後輩の机の隅にパイの実を置く 地下鉄のホームの下の暗がりを照らす誰かの自転車の鍵 ドトールも松屋もモスも残業の夜のひとときの寄港地として 真夜中の品出しをする店員を呼び止めメロンパンを購う 月曜日までにリセットしたいこと 菜花を散らす週末の雨 🍀一首目はネプリ「チョコレート報

          『塔』2024年5月号掲載歌

          『塔』2024年4月号掲載歌

          永田和宏選(永田淳 代選)として「若葉集」P.305に7首掲載していただきました。 今月はとても分厚い創刊70周年記念号です。 12月に句友さんたちとジブリ美術館に行った時のことを詠みました。 いつも感謝です😊✨ 若葉集より 作品の世界へつづく冒険の起点を三鷹駅に定める 四人なれば四種の柄のチケットをもらいて入るジブリ美術館 二十年前に一緒に来たひとはいまは名古屋と人づてに聞く 創るとは尊き孤独 一秒に二十四コマいのち吹き込む そのために調合された絵の具には映画

          『塔』2024年4月号掲載歌

          第25回NHK全国短歌・俳句大会

          2024年3月30日(土)にNHKの全国短歌大会、31日(日)に同俳句大会が渋谷のNHKホールで開催され、今年も行ってきました。 今回は、短歌を6首出してうち自由詠2首が入選👏(去年と一緒)、俳句は3句出して自由詠1句が入選👏👏👏(3年目で初入選)でした😊 それぞれ以下の通りです。 ■パンゲアの形が少し違ったらちがうかたちで出会えただろうか/音羽凜 ◾️もうたぶん会わない人に百貨店仕込みの深いお辞儀を返す/同 ◾️顔よりも小さき始祖鳥夏の月/同 俳句の初入選は嬉し

          第25回NHK全国短歌・俳句大会

          『塔』2024年3月号掲載歌

          岡部史選として「若葉集」P.174に鍵外🔑で7首掲載していただきました。 吉村のぞみ(おもち)さんと11月に行った練馬区の牧野記念庭園をテーマに詠みました。 おもちさんの名前を詠み込んだ歌だけは事前に見せましたが、他はお互いに塔着をもって目にしました。 おもちさんの歌はP.173に掲載されています。 同じ場所で二人がそれぞれ詠んだ歌を味わってもらえたら嬉しいです☺️🌳 若葉集より 「らんまん」は見ずに終わって区民的興味で向かう牧野庭園 さまざまなジャンルがならぶ本棚は

          『塔』2024年3月号掲載歌

          『塔』2024年2月号掲載歌

          梶原さい子選として「若葉集」P.175に鍵外🔑で7首掲載していただきました😊 ふるていさんの「みんなの吟行句会」で清澄白河の辺りを歩き、句会をした時の様子をまとめました。 句会のことを短歌にして採ってもらえて嬉しいです。句友の皆さんにも心より感謝を。 また、P.208に12月号の若葉集の評を両角美貴子さんより、P.213に12月号の題詠四季「名」の歌の評を「作品一首評」として岡田ゆりさんにいただきました。 作品一首評をいただいたのは初めてで、励みになります。 ありがとう

          『塔』2024年2月号掲載歌

          新聞歌壇(2024年)更新中

          ◾️読売歌壇 ◇俵万智選 あとわずか根雪のように納まって使い切れないリップクリーム(1.15) 類語からひとつを選び取るように新物件を端からまわる(5.6) ◾️東京歌壇 ◇佐佐木幸綱選 新年を祝う拍手を担いおり一生懸命ピザ焼く窯は(2.4) ゆるやかな坂より急な階段を一段飛ばしで行きたい春だ(3.17) あたらしい職場でもらいし社食用カードは春の草花の柄(5.12) 文具店兼住宅はカフェとして再び城下に灯りをともす(6.9) ◾️毎日歌壇 ◇水原紫苑選

          新聞歌壇(2024年)更新中

          『塔』2024年1月号掲載歌

          なみの亜子選として「若葉集」P.193に鍵外🔑で7首掲載していただきました。 10月に行った目黒の庭園美術館をテーマに詠みました✨ 若葉集より ラリックの女神四人に目礼し庭園美術館に入りぬ 豊穣と多産といえどレリーフの柘榴から実はこぼれ落ちない 部屋はなお淡い緑を宿したり ラパンの描いた壁紙の森 くりかえす線と模様と色彩の渦にしずかに巻き込まれゆく 三階のテラスには午後のひかり満ちわれを迎えるサボテンと椅子 芝の上に墩(とん)は斜めに据えられて透かし模様に風の吹

          『塔』2024年1月号掲載歌

          『塔』2023年12月号掲載歌

          溝川清久選の題詠四季「名」にてP.150に1首、山下泉選として「若葉集」P.199に鍵外🔑で7首掲載していただきました。 若葉集も題詠四季も4番目という奇妙な偶然で、両方とも、目次にも名前を載せていただきました😊 題詠四季「名」 示すではなく禾(のぎ)ですと言いたればわが名は風にそよぐ木となる 若葉集 快速の車窓から見るパラソルが等間隔にならぶ海岸 不自然な生態だとは言われずに今日もイルカはフープをくぐる 秋めいた風にはつかまりたくなくて屈伸をする夜明けの渚

          『塔』2023年12月号掲載歌

          『塔』2023年11月号掲載歌

          小林信也選として、若葉集P.170に6首掲載していただきました。 乾杯の音頭を取った年下の上司のシャツの柄が気になる 寛解をしても戻らぬ握力にレモンは客にしぼってもらう 予告なく会長が来て朝礼は前置きだけで終わってしまう 一斉に夏季休業を取るという隣の部署の水やりをする 嘆くのはやめてB'zを口ずさむ傘を忘れた午後に降る雨 朝顔の蔓巻く先にある日々にやさしい風が吹きますように P.178の選歌後記で4首目の歌を引いていただきました。 また、小林みどりさんに9月

          『塔』2023年11月号掲載歌

          NHK短歌まとめ(2023年度)

          テキスト掲載された短歌をまとめていきます。 📕6月号 ■山崎聡子選「いとしい気持ち」佳作 半分に割ったオールドファッションの大きな方を母はわたしに ◾️岡野大嗣選「待ち合わせ」佳作 名も顔も知らない友が持つというパグのバッグを探す改札 📕7月号 ◾️山崎聡子選「親に子に思うこと」佳作 どう見ても冴えない寺の賽銭に千円出した父の晩年 📕9月号 ◾️吉川宏志選「ゆらゆら」佳作 明日には焚き上げられる七夕の笹にゆらゆら願いが揺れる 📕10月号 ◾️吉川宏志選「夏の虫」佳作

          NHK短歌まとめ(2023年度)

          『塔』2023年10月号 掲載歌

          永田淳選として、若葉集P.168-169に7首掲載していただきました。 初の鍵外です🔑 ありがとうございます。 偶然をセレンディピティと呼んでみる旅行初日は「塔」の開所日 京という海原に建つ碇ビル 外階段は二階へつづく 重厚な扉は細くひらかれて淡きひかりと婦人あらわる まだ薄い昔の「塔」をめくりつつ河野君江のことなどを聞く 御所の前からもう一度バスに乗る両腕に若葉風をかかえて きょうの日を心に留めておくために恵文社にてピンを購う 地元から半日遅れで来た母を迎えに

          『塔』2023年10月号 掲載歌